专利摘要:
本発明は,gp96由来ペプチドもしくはそのホモログ又は誘導体,それを含む医薬組成物,その治療のため及び医薬品の製造のための使用,広範な病気,疾患及び疾病の治療方法,それをエンコードするヌクレオチド配列,そのエピトープに対する抗体並びにそれを含む融合タンパク質を提供する。
公开号:JP2011512865A
申请号:JP2010550329
申请日:2009-03-12
公开日:2011-04-28
发明作者:アミール アナト;オーレン アナト;ボルコフ イタマール;レヴィ オファー;クリガー ヨセフ
申请人:コンプジェン リミティッドCompugen Ltd.;
IPC主号:C12N15-09
专利说明:

[0001] 本発明は,gp96由来ペプチドの技術分野に関する。]
背景技術

[0002] 熱ショックタンパク質(HSP)は従来ストレスタンパク質又はタンパク質シャペロンとして既知であり,タンパク質のフォールディング及びアンフォールディングに関係するあらゆる細胞的事象における基本的なハウスキーピングの役割を果たす (Morimoto R.I.,1998 Genes Dev 12:3788-3796)。HSPは多機能タンパク質であり,小胞輸送,シグナル伝達などを含む種々の処理を容易にする。grp94としても既知のHSP gp96(96kDaの糖タンパク質を表わす),すなわちエンドプラスミン又はERp99は,熱ショックタンパク質のHSP90ファミリーに属する。これは構成性的に発現し,小胞体(ER)の内腔に通常留まり,ここでそのシャペロン機能が多くの基質の適切なフォールディングに極めて重要となる。ヒトにおいて,唯一の遺伝子座が染色体12上に位置づけられて,tra−1と命名されている。これは803個のアミノ酸のタンパク質をエンコードし,そのC末端にER保持配列,KDELを含有する。他のHSPのように,gp96がミスフォールドタンパク質の累積によって誘起され,ATP及びシャペロン多重タンパク基質を結合し,加水分解する。gp96のハウスキーピング遺伝子としての決定的な役割は,gp96遺伝子ノックアウトマウスが胚生致死であるという事実によって力説される(Li Zら,2002 Frontiers in Bioscience 7:731-751)。]
[0003] gp96は,MHCクラスIによる外因性抗原の提示において,かかる抗原に対してシャペロンとして作用することにより重要な役割を果たし,その後エンドサイトーシスを介して細胞内に入る。その後,抗原性のペプチドを小胞体内に転移し,ここで同族のMHCクラスI分子上にチャージされる。かかるプロセスは,交差提示と呼ばれ,CD8+T細胞の刺激につながる細胞表面上のMHCI−ペプチド錯体の提示につながる(Suto R. & P. K. Srivastava 1995 Science 269:1585-1588)。従って,細胞シャペロン抗原ペプチドから精製されたgp96がその細胞内に発生する。腫瘍又は病原菌感染細胞から精製されたgp96−ペプチド錯体での免疫化は,腫瘍又は病原菌に対してそれぞれ指向した特異的な免疫を誘発する(Janetzki,S.ら,1998 J. Immunother. 21:269-276)。]
[0004] gp96は,免疫学的観点から最も熱心に研究されたHSPであり,先天的及び獲得免疫の両者の活性化,ペプチド抗原の提示,かかるペプチドのMHC分子へ転移,抗原提示細胞(APC)の活性化,及び腫瘍免疫において重要な役割を果たすなどの多数の機能を行うことが示された。gp96はまた,機能性トール様受容体(TLR)の構築における重要な役割を果たし,樹状細胞(DC)を活性化することによる危険な信号として作用して炎症誘発性サイトカイン及びケモカインを分泌することを含む幾つかのペプチド独立活性を有する(LiZ.ら2002 Curr Opin ImmunoL−14:45-51; Srivastava,P. 2002 Nat Rev Immunol 2:185-194; HiIfN.ら 2002 Int. J. Hyperthermia 18:521-533)。これら複合した特徴及び多機能特性が,gp96を強力な兵器にし,従って「免疫系のスイスアーミイナイフ」と名付けられる(Schild and Rammensee 2000 Nat. ImmunoL−1:100-101)。]
[0005] HSPは,内因性の刺激に由来し,身体維持に必要である無菌性炎症と,環境病原菌から保護する敗血性炎症という二つの代替的な炎症モードにおいて様々な機能を発揮する。gp96のような内因性HSPは,これら二つの炎症モードのモジュレーションにおいて中心的存在であり,それ自体が癌,感染症及び自己免疫の新規治療に対する潜在的標的である(Quintana and Cohen,2005 J. ImmunoL−175:2777-2782)。]
[0006] 最近の研究は,機能性トール様受容体(TLR)の構築におけるgp96の役割に新しい洞察を提供する。TLRは,自然免疫に寄与し,獲得免疫を調節する受容体の重要なファミリーである。これらパターン認識受容体は,細菌性リポタンパク質(TLR1又はTLR6とのヘテロ二量体中のTLR2),二重鎖RNA(TLR3),リポ多糖(LPS)(TLR4),細菌性フラゲリン(TLR5),特定病原体関連RNA配列(TLR7)及びDNAにおける病原体関連非メチル化CpGモチーフ(TLR9)のような独特な構造的実体を認識できる(Iwasaki,A.& Medzhitov,R. 2004 Nat Immunol. 5:987-995)。TLR発現又は機能における欠陥が多種の病原菌での感染症に対する増加した感受性をもたらし得る。対照的に,過剰な又は不適当なTLRシグナル伝達は,敗血症,特定の自己免疫及び炎症性疾患及び癌におけるLPS誘発内毒素ショックのような病理学的プロセスに関係する。従って,TLR発現及び機能を調節する機構は,病原菌に対する免疫及び病理学的免疫反応を共に形成するのに重要でありうる。]
[0007] 新たな証拠により,gp96がTLRに対してユニークで強制的なマスターシャペロンであることを明らかにした。無傷のgp96がTLR1,TLR2,TLR3,TLR4,TLR5,TLR7及びTLR9によるシグナル伝達に不可欠である。gp96なしでは,TLRが機能的でなく,小胞体内に著しく保持され,TLR4誘発内毒素ショック又はサイトカインの誘発及びリステリア菌による宿主抵抗のような応答を媒介できない (Yang Y.ら 2007 Immunity 26:215-226)。TLRに対するシャペロンとしての役割に加えて,gp96は細菌性産出物による樹状細胞活性化の増幅に役割を果たす(Warger T.ら 2006 J. Biol. Chem. 281:22545-22553)。]
[0008] 遺伝子導入マウスモデルにおけるgp96の細胞表面発現の実行は,樹状細胞の有意な活性化及び自発的狼瘡様自己免疫疾患を誘発する。かかる自己免疫の進展は,TLRによるシグナル伝達に対する重要な下流のアダプタータンパク質であるMyD88に依存する(Liu B.ら,2003 Proc Natl Acad Sci USA 100:15824-15829)。同様に,gp96のER保持の阻害は,増大したgp96表面提示に起因する樹状細胞の活性化及び狼瘡様自己免疫性表現型を示す(Han JM.ら,2007 Am. J. PathoL−170:2042-2054)。それゆえ,gp96による樹状細胞の慢性的な活性化は,周辺耐性の破壊を引き起こして,自己免疫疾患をもたらす場合がある。遺伝子導入マウスに遺伝子増幅を用いてTLR4遺伝子のみを過剰発現することにより識別不能な結果が得られる。あらゆる外因性発作なしに増大したTLR4発現は,類似の狼瘡様自己免疫疾患を誘発する(Liu B.ら 2006 J. of ImmunoL−177:6880-6888)。TLR活性のgp96機能への依存は,gp96又はTLRによる慢性的刺激が自己免疫疾患の進展に寄与し得ることを示唆するこれら対応結果を説明することができる。実際に,動物モデルから主として得られた自己免疫疾患のデータ及びヒト被検体からの付随的なデータは,内因性又は外因性リガンドによるTLR経路の不適切な活性化が自己免疫性反応及び組織損傷の開始及び/又は維持につながりうることを示唆する(Papadimitraki,E. V.ら 2007 J. of autoimmunity 29:310-318)。更に,自己免疫疾患を治療するのに現在使用されるクロロキン及びヒドロキシクロロキンのような薬剤は,その効能を説明しうるTLRシグナル伝達を遮断することが証明された。]
[0009] 自己免疫疾患の発病におけるTLRの関与は,その治療薬への有望な目標としての開発を促した。特定のTLR拮抗薬が多種の炎症性疾患及び自己免疫疾患の治療学として前臨床及び臨床の開発途上にある(Gearing A.J.H,2007 Immunology and Cell Biol. 85:490-494; Tse K. & Homer A. 2007 Ann Rheum Dis. 66(Suppl III):iii77-80)。また,gp96活性の抑制を治療標的として用いて,多種の病状におけるTLRの機能不全を低減することができる。有望な治療薬としてTLRの抑制剤により標的化される特定の自己免疫疾患又は動物モデルの特定の例としては,下記が挙げられる。全身性紅斑性狼瘡(SLE)−TLR7及びTLR9の二重抑制剤が,狼瘡易発性マウスに注入した際に狼瘡様疾病の進展を防いだ。TLR4が役割を果たす炎症性腸疾患(IBD)及び他の慢性胃腸管系炎症疾患−TLR4の拮抗薬が,結腸炎症の二匹のマウスモデルにおける中程度から重度の病気の進展を抑制した(Fortら,2005 J. Immunology 174:6416-6423)。また,TLR4の抑制が実験的関節炎の重篤性を抑えるので,TLR4が関節リウマチの治療における標的としても役立つ(Abdollahi-Roodsazら,2007 Arthritis & Rheumatism 56:2957-2967)。]
[0010] TLRは,アレルギー感作及び早期喘息反応の進展に関与すると考えられる多数のタイプの細胞に存在する。実際に,実験研究によりアレルギー反応の進展及び制御両方へのTLRの密接な関連が主として立証された。これら結果は,アレルギー性疾患の予防及び治療にTLRを標的とする薬理的関与の臨床的潜在能力を示している(Bauer S.ら 2007 Immunobiology 212:521-33)。]
[0011] TLR活性化はまた,アテローム動脈硬化,敗血症における心臓機能異常,鬱血性心不全及び虚血性傷害の進展及び進行に寄与する。これら疾病におけるTLRの関与は,TLR抑制が心臓血管系疾患並びに臓器移植の設定における冷却虚血−再灌流後に生じる全身性及び移植内の炎症性反応に予防的効果を有することを示す(Frantz S.ら. 2007 Nature臨床的Practice 4:444-454)。更に,臨床的に安定で,通常の肝機能にあるものと比較して,循環単核細胞に対する高いTLR2及びTLR4発現と急性拒絶反応のある肝臓移植受容者間に高い相関が見出された。これらの結果は,TLR2及びTLR4による肝臓移植受容者における自然免疫の活性化が,肝臓移植後の急性同種移植拒絶反応の進展に寄与することを示唆する(Deng J. F.ら 2007 Transplant Proc. 39:3222-3224)。]
[0012] トール様受容体拮抗薬は,抗生物質とともに,感染症関連早産を遅延又は防止できる。TLR4拮抗薬での予備処理は,アカゲザルにおけるLPS誘発早期子宮収縮,サイトカイン及びプロスタグランジンを抑制する(Waldorf KMら 2008 Reprod Sci. 15:121-127)。]
[0013] 最近の研究は,TLRが広範囲の腫瘍に対しても発現されて,TLRsが腫瘍増殖において重要な役割を果たしうると示唆することを示す。腫瘍細胞TLRの活性化は,腫瘍細胞の増殖とアポトーシスへの抵抗を促進するだけでなく,金属プロテアーゼとインテグリンを調節することによる腫瘍細胞の侵潤と転移を増強する。その上,腫瘍細胞中でシグナル伝達するTLRの活性化が炎症誘発因子及び免疫抑制分子の合成を誘発し,細胞傷害性リンパ球の攻撃に対する腫瘍細胞の抵抗を増強して,免疫監視からの腫瘍逃避をもたらす。それゆえ,新生物性プロセスは,TLRシグナル伝達経路を利用して癌進行並びに免疫逃避を促進すように見え,腫瘍TLRシグナル伝達経路の標的化が新規な治療の大通りを開くことを示唆する(Huang B.ら,2008 Oncogene 27:218-224)。]
[0014] 敗血症及び敗血性ショック,そのより重篤な形態は,技術的な進歩が集中治療室での生体機能の十分な支援を可能にしたにも関わらず,発生率の警戒すべき増加及び持続する高い死亡率を示している。TLRが敗血症において侵入病原菌に対する全身性の応答の媒介にカギとなる役割を果たすことの証拠が増大している。TLRシグナル伝達の阻止は,敗血症治療の新しい潜在的な治療戦略を示唆する (Tsujimoto H.ら. 2008 Shock 29:315-321)。更に,gp96を含むHSPは,LPSと直接結合でき,敗血症において起こる内毒素に対する免疫反応の増幅に関与する (Triantafilou and Triantafilou 2004 Biochem. Soc. Trans. 32:636-639; Reed ら 2003 J. Biol. Chem. 278:31853-31860)。]
発明が解決しようとする課題

[0015] 現在まで,gp96を阻害する治療薬は知られていない。しかしながら,上記で説明したとおり,ほとんどの探究戦略は,広範な免疫調節疾病の潜在的な治療のため生来の免疫反応を抑制可能なTLR拮抗薬の開発に狙いを定めている。もうひとつの戦略はgp96受容体であるCD91の標的化である。CD91又はCD91断片と結合するHSPの小分子阻害剤は,多発性硬化症,SLE及びインシュリン依存糖尿病のような自己免疫疾患の潜在的治療のために開発されている。多種のTLRの発現及び機能における重要な役割に基づいて,gp96の拮抗化が,これらの疾病の治療に対するより効果的な到達法でありうる。]
課題を解決するための手段

[0016] 本発明は,gp96のセグメントに対応する新規なペプチド,そのホモログ,オルソログ,誘導体,それに対する抗体,及びこれらを含む融合タンパク質を提供するもので,その全てが広範な病気,疾患及び疾病に対する治療価値を有する。]
[0017] 本発明の一形態において,上記病気,疾患及び疾病は,自己免疫疾患,敗血症,慢性及び急性炎症性疾患,胃腸管系炎症性疾患,胃腸管系悪性疾患,気道炎を伴う疾病,自己炎症性疾患,虚血−再灌流傷害関連疾患,心臓血管系疾患,重金属誘発疾患,腎臓病,感染症,癌,早産,内毒素及び細菌性感染症の存在に関連した外科手術及び外科処置での合併症並びに臓器移植後の急性同種移植片拒絶反応からなる群から選択された病気,疾患及び疾病である。]
[0018] 本発明は,主としてアミノ酸配列LNVSRETLQQHBCLLKVIRKKLVRKTLDMIKKIADDKY(CGEN−GP1[配列番号:1])又はそのホモログもしくはその誘導体からなるペプチドを提供する。]
[0019] 本発明は,主としてアミノ酸配列MMKLIINSLYKNKEIFLRELISNASDALDKIRLIS(CGEN−GP2[配列番号:2])又はそのホモログもしくはその誘導体からなるペプチドを更に提供する。]
[0020] 本発明は,主としてアミノ酸配列IYVWSSKTETVEEPMEEEEAAKEEKEESDDEA(CGEN−GP3[配列番号:3])又はそのホモログもしくはその誘導体からなるペプチドを更に提供する。]
[0021] 本発明は,主としてアミノ酸配列TLQQHKLLKVIRKKLVRKTLDMIKKIADDKY(CGEN−GP4,配列番号:27)又はその誘導体からなる単離ペプチドを更に提供する。]
[0022] 本発明は,主としてアミノ酸配列HKLLKVIRKKLVRKTLDMIKKIADDKYNDTFWKEF(CGEN−GP5,配列番号:29)又はその誘導体からなる単離ペプチドを更に提供する。]
[0023] 本発明は,主としてアミノ酸配KGVVDSDDLPLNVSRETLQQHKLLKVIRKKLVRKTLDMIKKIADDKYN
DTFWKEFGT(配列番号:4)又はその誘導体からなる単離ペプチドを更に提供する。]
[0024] 本発明は,主としてアミノ酸配列KFAFQAEVNRMMKLIINSLYKNKEIFLRELISNASDALDKIRLISLT
DENALSGN(配列番号:5)又はその誘導体からなる単離ペプチドを更に提供する。]
[0025] 本発明は,主としてアミノ酸配列KKYSQFINFPIYVWSSKTETVEEPMEEEEAAKEEKEESDDEAAVEEE
EEEKK(配列番号:6)又はその誘導体からなる単離ペプチドを更に提供する。]
[0026] 本発明は,主としてアミノ酸配列DDLPLNVSRETLQQHKLLKVIRKKLVRKTLDMIKKIADDKYNDTFWK
EFGT(配列番号:31)又はその誘導体からなる単離ペプチドを更に提供する。]
[0027] 本発明は,主としてアミノ酸配列LNVSRETLQQHKiLKVIRKKLVRKTLDMIKKIADDKYNDTFWKEFGT
NIKLGVIE(配列番号:32)又はその誘導体からなる単離ペプチドを更に提供する。]
[0028] 本発明は,主として本発明のペプチドのホモログに対応するアミノ酸配列,すなわち配列番号:14〜24,35〜52のいずれか一つで表わされるようなアミノ酸配列からなる単離ペプチドを更に提供する。]
[0029] 本発明は,主として本発明のペプチドのパートナーへリックスに対応するアミノ酸配列からなるペプチドを更に提供する。]
[0030] 本発明は,主としてアミノ酸配列FLRELISNASDALDKIRLISLTDENALSGNEELTVKIK(配列番号:25)又はそのホモログもしくはその誘導体からなるパートナーへリックスペプチドを更に提供する。]
[0031] 本発明は,主としてアミノ酸配列INSLYKNKEIFLRELISNASDALDKIRLISLTDENALSGNEELTVKI
KCDKEKNLLHV(配列番号:26)又はそのホモログもしくはその誘導体からなるパートナーへリックスペプチドを更に提供する。]
[0032] また,本発明は,配列番号:1〜6,14〜27,29,31及び32のいずれか一つで表わされるようなペプチド中のエピトープに選択的に結合する抗体を提供する。]
[0033] 本発明は,配列番号:1〜6,14〜27,29,31及び32のいずれか一つで表わされるような本発明のペプチドを含む複合又は融合タンパク質を更に提供する。本発明は,本発明のペプチドもしくはそのホモログ又はその誘導体と,本発明の抗体もしくは本発明の融合タンパク質と,薬学的に許容し得るキャリアーとを含む医薬組成物を更に提供する。本発明は,治療での使用のための本発明のペプチドもしくはそのホモログ又は誘導体,本発明の抗体もしくは本発明の融合タンパク質を更に構想し,また本発明のペプチドもしくはそのホモログ又は誘導体,本発明の抗体もしくは本発明の融合タンパク質の医薬品の製造への使用を更に構想する。]
[0034] 本発明は,薬学的に有効量の本発明のペプチドもしくはそのホモログ又は誘導体,本発明の抗体もしくは本発明の融合タンパク質と,薬学的に許容し得るキャリアーとを,必要とする被検体に投与する工程を備える敗血症,敗血性ショック,内毒素ショック,内毒素貧血及び/又は全身性炎症反応症候群(SIRS)の治療方法を更に提供する。]
[0035] 本発明は,薬学的に有効量の本発明のペプチドもしくはそのホモログ又は誘導体,本発明の抗体もしくは本発明の融合タンパク質と,薬学的に許容し得るキャリアーとを,必要とする被検体に投与する工程を備える自己免疫疾患の治療方法を更に提供する。]
[0036] 本発明は,薬学的に有効量の本発明のペプチドもしくはそのホモログ又は誘導体,本発明の抗体もしくは本発明の融合タンパク質と,薬学的に許容し得るキャリアーとを,必要とする被検体に投与する工程を備える胃腸管系炎症性疾患の治療方法を更に提供する。]
[0037] 本発明は,薬学的に有効量の本発明のペプチドもしくはそのホモログ又は誘導体,本発明の抗体もしくは本発明の融合タンパク質と,薬学的に許容し得るキャリアーとを,必要とする被検体に投与する工程を備える胃腸管系悪性疾患の治療方法を更に提供する。]
[0038] 本発明は,薬学的に有効量の本発明のペプチドもしくはそのホモログ又は誘導体,本発明の抗体もしくは本発明の融合タンパク質と,薬学的に許容し得るキャリアーとを,必要とする被検体に投与する工程を備える気道炎症を伴う疾患の治療方法を更に提供する。]
[0039] 本発明は,薬学的に有効量の本発明のペプチドもしくはそのホモログ又は誘導体,本発明の抗体もしくは本発明の融合タンパク質と,薬学的に許容し得るキャリアーとを,必要とする被検体に投与する工程を備える自己炎症性疾患の治療方法を更に提供する。]
[0040] 本発明は,薬学的に有効量の本発明のペプチドもしくはそのホモログ又は誘導体,本発明の抗体もしくは本発明の融合タンパク質と,薬学的に許容し得るキャリアーとを,必要とする被検体に投与する工程を備える臓器及び組織における虚血及び虚血後の事象に関連した虚血−再灌流傷害関連疾患の治療方法を更に提供する。]
[0041] 本発明は,薬学的に有効量の本発明のペプチドもしくはそのホモログ又は誘導体,本発明の抗体もしくは本発明の融合タンパク質と,薬学的に許容し得るキャリアーとを,必要とする被検体に投与する工程を備える心臓血管系疾患の治療方法を更に提供する。]
[0042] 本発明は,薬学的に有効量の本発明のペプチドもしくはそのホモログ又は誘導体,本発明の抗体もしくは本発明の融合タンパク質と,薬学的に許容し得るキャリアーとを,必要とする被検体に投与する工程を備える重金属誘発疾患の治療方法を更に提供する。]
[0043] 本発明は,薬学的に有効量の本発明のペプチドもしくはそのホモログ又は誘導体,本発明の抗体もしくは本発明の融合タンパク質と,薬学的に許容し得るキャリアーとを,必要とする被検体に投与する工程を備える腎臓病の治療方法を更に提供する。]
[0044] 本発明は,薬学的に有効量の本発明のペプチドもしくはそのホモログ又は誘導体,本発明の抗体もしくは本発明の融合タンパク質と,薬学的に許容し得るキャリアーとを,必要とする被検体に投与する工程を備える炎症性疾患の治療方法を更に提供する。]
[0045] 本発明は,薬学的に有効量の本発明のペプチドもしくはそのホモログ又は誘導体,本発明の抗体もしくは本発明の融合タンパク質と,薬学的に許容し得るキャリアーとを,必要とする被検体に投与する工程を備える細胞間病原菌によって引き起こされた感染症の治療方法を更に提供する。]
[0046] 本発明は,薬学的に有効量の本発明のペプチドもしくはそのホモログ又は誘導体,本発明の抗体もしくは本発明の融合タンパク質と,薬学的に許容し得るキャリアーとを,必要とする被検体に投与する工程を備える癌の治療方法を更に提供する。]
[0047] 本発明は,薬学的に有効量の本発明のペプチドもしくはそのホモログ又は誘導体,本発明の抗体もしくは本発明の融合タンパク質と,薬学的に許容し得るキャリアーとを,必要とする被検体に投与する工程を備える早産及び子宮収縮の治療方法を更に提供する。]
[0048] 本発明は,薬学的に有効量の本発明のペプチドもしくはそのホモログ又は誘導体,本発明の抗体もしくは本発明の融合タンパク質と,薬学的に許容し得るキャリアーとを,必要とする被検体に投与する工程を備える内毒素及び細菌性感染症の存在に関連した外科手術及び外科処置での合併症の治療方法を更に提供する。]
[0049] 本発明は,薬学的に有効量の本発明のペプチドもしくはそのホモログ又は誘導体,本発明の抗体もしくは本発明の融合タンパク質と,薬学的に許容し得るキャリアーとを,必要とする被検体に投与する工程を備える臓器移植後の急性同種移植片拒絶反応の治療方法を更に提供する。]
[0050] 本発明はまた,本発明のペプチドまたはそのホモログをエンコードするヌクレオチド配列を提供する。]
[0051] 本発明を理解し実際にどのように行われているかを見るため,ここに限定されない例示のみとして添付図面と一緒に参照することにより実施形態を記載する。]
図面の簡単な説明

[0052] 末梢血単核細胞(PBMC)からの抗CD3誘発サイトカインIL−1b,IL6,IL−8,MIP−1α及びTNFαの放出に対するCGEN−GP1(配列番号:1),CGEN−GP2(配列番号:2)及びCGEN−GP3(配列番号:3)(30μg/ml=6μM)の効果を示す。サイトカインの濃度はLuminex分析器(Luminex Corporation社)及びビーズベース試薬(Upstate Biotechnology社)を用いて測定した。
末梢血単核細胞(PBMC)からのLPS誘発サイトカインGM−CSF,IL−12p40,IL−12p70,IL−1α,IL−1b,IL2及びTNFαの放出に対するCGEN−GP1(配列番号:1),CGEN−GP2(配列番号:2)及びCGEN−GP3(配列番号:3)(30μg/ml=6μM)の効果を示す。サイトカインの濃度はLuminex及びUpstateビーズキットアッセイを用いて測定した。
未処理ヒト末梢血単核細胞(PBMC)(対照),LPSで処理したPBMC及び表皮ブドウ球菌で処理したPBMCからのサイトカインIL−1ベータの放出に対するCGEN−GP1(配列番号:1),(30,60又は120μg/ml)の効果を示す。IL−1ベータの濃度はヒトIL−1ベータに特異的なELISAキット(R&D Systems社,Quantikine ELISAキット,カタログ番号DLB50)を用いて測定した。
未処理ヒト末梢血単核細胞(PBMC)(対照),LPSで処理したPBMC及び表皮ブドウ球菌で処理したPBMCからのサイトカインTNFアルファの放出に対するCGEN−GP1(配列番号:1),(30,60又は120μg/ml)の効果を示す。TNFアルファの濃度はヒトTNFアルファに特異的なELISAキット(R&D Systems社,ヒトTNFアルファQuantikine ELISAキット,カタログ番号STA00C)を用いて測定した。
サイトカインIL−12プラスIL−18で処理したPBMCからのサイトカインIFNガンマの放出に対するCGEN−GP1(配列番号:1),(30又は60μg/ml)の効果を示す。IFNガンマの濃度はヒトIFNガンマに特異的なELISAキット(R&D Systems社,ヒトIFNガンマQuantikine ELISAキット,カタログ番号DIF50)を用いて測定した。
THP−1細胞(単球,急性単球性白血病,TIB−202,ATCC)からのLPS誘発TNFαの放出に対するCGEN−GP1(配列番号:1)(20,60,180,540,1620,4860又は14580nM)の効果を示す。TNFαの濃度はヒトTNFαELISAキット(R&D Systems社,ヒトTNFアルファQuantikine ELISAキット,カタログ番号STA00C)を用いて測定した。
THP−1細胞(単球,急性単球性白血病,TIB−202,ATCC)からのLPS誘発TNFαの放出に対するCGEN−GP4(配列番号:27)及びCGEN−GP5(配列番号:29)(0.3,1,10,30又は60μg/ml)の効果を示す。TNFαの濃度をヒトTNFαELISAキット(R&D Systems社,ヒトTNFアルファQuantikine ELISAキット,カタログ番号STA00C)を用いて測定した。
A549細胞(ヒト肺癌,CCL−185,ATCC)の増殖に対するCGEN−GP1(配列番号:1),CGEN−GP4(配列番号:27)及びCGEN−GP5(配列番号:29)(0.3,1,3,10,30又は90μg/ml)の効果を示す。細胞増殖はMTTアッセイを用いて測定した。
細胞株HCTl16(ヒト結腸直腸癌,CCL−247,ATCC)(図9A),SW480(ヒト結腸直腸腺癌,CCL−228,ATCC)(図9B),HT29(ヒト結腸直腸腺癌,HTB−38,ATCC)(図9C)及びMCF7(ヒト乳腺腺癌,HTB−22,ATCC)(図9D)の増殖に対するCGEN−GP1(配列番号:1)(0.003,0.009,0.028,0.084,0.25,0.76,2.28,6.66,20及び60μg/ml)の効果を示す。細胞増殖はMTTアッセイを用いて測定した。
細胞株HCTl16(ヒト結腸直腸癌,CCL−247,ATCC)HT29(ヒト結腸直腸腺癌,HTB−38,ATCC)(図10A),SW480(ヒト結腸直腸腺癌,CCL−228,ATCC)(図10B),HT29(ヒト結腸直腸腺癌,HTB−38,ATCC)(図10C)及びMCF7(ヒト乳腺腺癌,HTB−22,ATCC)(図10D)の増殖に対するCGEN−GP5(配列番号:29)(0.003,0.009,0.028,0.084,0.25,0.76,2.28,6.66,20及び60μg/ml)の効果を示す。細胞増殖はMTTアッセイを用いて測定した。
IL−12プラスIL−18で処理した単離マウス(C57Black6)脾臓細胞内でのIFNγの産生に対するCGEN−GP1(配列番号:1)の効果を示す。IFNγの濃度は,処理の24時間後にマウスIFNγELISA(R&D Systems社,マウスIFNγQuantikine ELISAキット)を用いて測定した。
三種類の投薬量のCGEN−GP1ペプチド(マウス1匹あたり10,30又は60μg)又は対照として生理食塩水と一緒にLPSを腹腔内(ip)投与したC57Black/6マウスでのLPS誘発TNFαの産生に対するCGEN−GP1(配列番号:1)の効果を示す。血清中のTNFαの濃度はLPS誘発の90分後及び6時間後TNFαELISA(R&D Systems社,マウスTNFアルファQuantikine ELISAキット)を用いて測定した。
一つの投薬量のCGEN−GP1ペプチド(マウス1匹あたり60μg)又は対照として生理食塩水と一緒にLPSを腹腔内(ip)投与したC57Black/6マウスでのLPS誘発IL−6の産生に対するCGEN−GP1(配列番号:1)の効果を示す。血清中のIL−6の濃度はLPS誘発の6時間後マウスIL−6ELISA(R&D Systems社,マウスIL−6Quantikine ELISAキット)を用いて測定した。
三種類の投薬量のCGEN−GP1ペプチド(マウス1匹あたり10,30又は60μg)と一緒にLPSを腹腔内(ip)投与した又は対照として生理食塩水を注射したC57Black6マウスでのLPS誘発IFNγの産生に対するCGEN−GP1(配列番号:1)の効果を示す。血清中のIFNγの濃度はLPS誘発の90分後及び6時間後マウスIFNγELISA(R&D Systems社,マウスIFNγQuantikine ELISAキット)を用いて測定した。
三種類の投薬量のCGEN−GP1ペプチド(マウス1匹あたり10,30又は60μg)と一緒にLPSを腹腔内(ip)投与した又は対照として生理食塩水を注射したC57Black/6マウスでのLPS誘発MIP−2の産生に対するCGEN−GP1(配列番号:1)の効果を示す。血清中のMIP−2の濃度はLPS誘発の90分後及び6時間後マウスMIP−2ELISA(R&D Systems社,マウスMIP−2Quantikine ELISAキット)を用いて測定した。
三種類の投薬量のCGEN−GP1ペプチド(マウス1匹あたり10,30又は60μg)と一緒にLPSを腹腔内(ip)投与した又は対照として生理食塩水を注射したC57Black/6マウスでのLPS誘発MIP−1aの産生に対するCGEN−GP1(配列番号:1)の効果を示す。血清中のMIP−1αの濃度はLPS誘発の90分後マウスMIP−1αELISA(R&D Systems社,マウスMIP−1αQuantikine ELISAキット)を用いて測定した。
独自のコンピュータ化手法を用いるへリックス−へリックス相互作用の同定を示す。図17A及び17Bは,互いに逆平行に相互作用する二本のヘリックスを含む既知のタンパク質(BAG−1,タンパク質データバンクID:1hx1(B鎖))の事例を示す。図17Aは,BAG−1から取得した二本の逆平行ヘリックスに対応する残基−残基間コンタクトマップを示し,図17Bは,隣接面を通じて相互作用する二本のヘリックスの概略図を示す。図17Cは,SVMconによって同定されるようなgp96(残基1〜300×300〜600)に対する残基−残基間コンタクトマップのサブセット(J. ChenGP. Baldi,BMC Bioinformatics 8,113 (2007)を示す。図17Dは,gp96の相関変異信号のフーリエ変換に基づくスコアマップを示す。図17Eは,gp96の残基110及び470に集中した断片間の平行な相互作用を表わす21×21マトリックスでのカラムの合計に対応する典型的なフーリエ変換を示す。
gp96におけるへリックス−へリックス相互作用のコンピュータ計算での検出を示す。図18Aは,図17Dに示したようなgp96の最も顕著な平行へリックス-へリックス信号の拡大図を示す。図18Bは,図17Cに示したような対応する残基−残基間コンタクトマップの拡大図を示す。
親タンパク質gp96(配列番号:13)とのCGEN−GP1(配列番号:1)の相互作用の分析結果を示す。
理論に縛られることなく有望なCGEN−GP1の作用機構を示す。図20Aは,タンパク質における立体構造変化の模式図を示し,図20Bは一つのへリックスに対応するペプチドによるタンパク質における立体構造変化の妨害を示す。図20Cは,本潜在性の作用機構に従い,そのパートナーへリックス(配列番号:25)に対応するペプチドで妨害するペプチドCGEN−GP1(配列番号:1)の前保温がCGEN−GP1(配列番号:1)の抑制効果を消失することを示す。図20Dは,666nMのCGEN−GP1ペプチド(配列番号:1)を等モル濃度のカウンターパートへリックス(配列番号:25)に対応するペプチドで前保温した結果を示す。
へリックスパートナーに由来したエピトープを標的とする抗体が,gp96タンパク質内でのへリックス−へリックス相互作用を妨害する能力を有し,それによって本発明の生理活性ペプチドにより達成された生物学的活性と似ている生物学的効果を生起することを説明する概略図を示す。
CGEN−GP1(配列番号:1)の配列と,>gi|15233740_0|[シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)],>gi|27807263_0|[畜牛(Bos Taurus)],>gi|544242_0|[オオムギ(Hordeum vulgare)],>gi|462013_0|[ニチニチソウ(Catharanthus roseus)],>gi|17865698_0|[イノシシ(Sus scrofa)],>gi|45383562_0|[ニワトリ(Gallus gallus)],>gi|6015101_0|[カイウサギ(Oryctolagus cuniculus)],>gi|109098491_0|[カニクイザル(Macaca fascicularis)],>gi|6755863_0|[ハツカネズミ(Mus musculus)],>gi|75070529_0|[オランウータン(Pongo pygmaeus)],>gi|50979166_0|[イエイヌ(Canis familiaris)]に由来した配列番号:14〜24に対応するオルソログ配列との多重整列化比較を示す。
CGEN−GP4(配列番号:27)の配列と,>gi:90076963 (カニクイザル(Macaca fascicularis)),>gi:37805386 (アフリカツメガエル(Xenopus laevis)),>gi:403496 (イエイヌ(Canis familiaris)),>gi:74190331 (ハツカネズミ(Mus musculus)),>gi:39645914 (ゼブラフィッシュ(Danio rerio)),>gi:210032364 (ラット(Rattus norvegicus))及び>gi:75775555 (畜牛(Bos Taurus))に由来した配列番号:35〜41に対応するオルソログ配列の多重整列化比較を示す。
CGEN−GP5(配列番号:29)の配列と,>gi:114646591チンパンジー(Pan troglodytes),>gi:109098490_アカゲザル(Macaca mulatta),>gi:67970925_カニクイザル(Macaca fascicularis),>gi:55731899_スマトラオランウータン(Pongo abelii),>gi:74190331_ハツカネズミ(Mus musculus),>gi:210032364_ラット(Rattus norvegicus),>gi:75775555_畜牛(Bos Taurus),>gi:2239252_イノシシ(Sus scrofa),>gi:149742973_ウマ(Equus caballus),>gi:403496_イエイヌ(Canis familiaris)及び>gi:194220333_ニワトリ(Gallus gallus)に由来した配列番号:42〜52に対応するオルソログ配列の多重整列化比較を示す。] 図10A 図10B 図10C 図10D 図17A 図17B 図17C 図17D 図17E 図18A
[0053] 本発明は,主としてアミノ酸配列LNVSRETLQQHKLLKVIRKKLVRKTLDMIKKIADDKY(CGEN−GP1[配列番号:1])又はそのホモログもしくは誘導体からなるペプチドを提供する。CGEN−GP1はgp96タンパク質配列(ジェンバンク受入番号:gi|4507677)のアミノ酸残基444〜480に対応する。]
[0054] 本発明は,主としてアミノ酸配列MMKLIINSLYKNKEIFLRELISNASDALDKIRLIS(CGEN−GP2[配列番号:2])又はそのホモログもしくは誘導体からなるペプチドを更に提供する。CGEN−GP2はgp96タンパク質配列(ジェンバンク受入番号:gi|4507677)のアミノ酸残基85〜119に対応する。]
[0055] 本発明は,主としてアミノ酸配列IYVWSSKTETVEEPMEEEEAAKEEKEESDDEA(CGEN−GP3[配列番号:3])又はそのホモログもしくは誘導体からなるペプチドを更に提供する。CGEN−GP3はgp96タンパク質配列(ジェンバンク受入番号:gi|4507677)のアミノ酸残基279〜310に対応する。]
[0056] 本発明は,主としてアミノ酸配列TLQQHKLLKVIRKKLVRKTLDMIKKIADDKY(CGEN−GP4[配列番号:27])又はそのホモログもしくは誘導体からなるペプチドを更に提供する。CGEN−GP4はgp96タンパク質配列(ジェンバンク受入番号:gi|4507677)のアミノ酸残基450〜480に対応する。]
[0057] 本発明は,主としてアミノ酸配列HKLLKVIRKKLVRKTLDMIKKIADDKYNDTFWKEF(CGEN−GP5[配列番号:29])又はそのホモログもしくは誘導体からなるペプチドを更に提供する。CGEN−GP5はgp96タンパク質配列(ジェンバンク受入番号:gi|4507677)のアミノ酸残基454〜488に対応する。]
[0058] ここで用いる本発明のペプチドに関する「ホモログ」という用語は,CGEN−GP1,CGEN−GP2,CGEN−GP3,CGEN−GP4又はCGEN−GP5それぞれと実質的に同じアミノ酸配列及び実質的に同じ生物学的活性を有するペプチドを包含すると理解される。従って,ホモログはCGEN−GP1,CGEN−GP2,CGEN−GP3,CGEN−GP4又はCGEN−GP5ペプチドと一以上のアミノ酸残基の付加,脱離又は置換により相違するが,ただし生成したペプチドはCGEN−GP1,CGEN−GP2,CGEN−GP3,CGEN−GP4又はCGEN−GP5それぞれの生物学的活性を保持する。当業者は,確立された周知の処置を用いて,どのアミノ酸残基を付加,脱離又は置換できる(どのアミノ酸でかかる置換を行えるかを含む)かを容易に決定できる。CGEN−GP1,CGEN−GP2,CGEN−GP3,CGEN−GP4又はCGEN−GP5のホモログの例示は,CGEN−GP1,CGEN−GP2,CGEN−GP3,CGEN−GP4又はCGEN−GP5の全てよりも少ないアミノ酸残基を含む脱離ホモログ,一以上の特定のアミノ酸残基を他のアミノ酸残基(例えば,同様の特性を持つアミノ酸もしくはD−アミノ酸もしくは非天然アミノ酸)によって置き換える置換ホモログ及びC一以上のアミノ酸残基をCGEN−GP1,CGEN−GP2,CGEN−GP3,CGEN−GP4又はCGEN−GP5の末端又は中間位置に加える付加ホモログであり,これらの全てがGEN−GP1,CGEN−GPp2,CGEN−GP3,CGEN−GP4又はCGEN−GP5の生物学的活性を共有する。]
[0059] 一つの実施形態において,本発明のCGEN−GP1ペプチドのホモログは,KGVVDSDDLPLNVSRETLQQHKLLKVIRKKLVRKTLDMIKKIADDKYNDTFWKEFGT[配列番号:4]であり,gp96タンパク質配列(ジェンバンク受入番号:gi|4507677,配列番号:13)のアミノ酸残基434〜490に対応する。]
[0060] 他の実施形態において,本発明のCGEN−GP2ペプチドのホモログは,KFAFQAEVNRMMKLIINSLYKNKEIFLRELISNASDALDKIRLISLTDENALSGN[配列番号:5]であり,gp96タンパク質配列(ジェンバンク受入番号:gi|4507677,配列番号:13)のアミノ酸残基75〜129に対応する。]
[0061] 他の実施形態において,本発明のCGEN−GP3ペプチドのホモログは,KKYSQFINFPIYVWSSKTETVEEPMEEEEAAKEEKEESDDEAAVEEEEEEKK[配列番号:6]であり,gp96タンパク質配列(ジェンバンク受入番号:gi|4507677,配列番号:13)のアミノ酸残基269〜320に対応する。]
[0062] 他の実施形態において,本発明のCGEN−GP4ペプチドのホモログは,DDLPLNVSRETLQQHKLLKVIRKKLVRKTLDMIKKIADDKYNDTFWKEFGT[配列番号:31]であり,gp96タンパク質配列(ジェンバンク受入番号:gi|4507677,配列番号:13)のアミノ酸残基440〜490に対応する。]
[0063] 他の実施形態において,本発明のCGEN−GP5ペプチドのホモログは,LNVSRETLQQHKLLKVIRKKLVRKTLDMIKKIADDKYNDTFWKEFGTNIKLGVIE[配列番号:32]であり,gp96タンパク質配列(ジェンバンク受入番号:gi|4507677,配列番号:13)のアミノ酸残基444〜498に対応する。]
[0064] また,ここで用いるような本発明のペプチドに関する「ホモログ」という用語は,オルソログを包含すると理解すべきである。用語 「オルソログ」は,CGEN−GP1,CGEN−GP2,CGEN−GP3,CGEN−GP4又はCGEN−GP5と実質的に同じアミノ酸配列及び実質的に同じ生物学的活性を有する非ヒト源から由来するペプチドを包含すると理解すべきである。]
[0065] 本発明は,主として配列番号:14〜24のいずれか一つで示されるようなアミノ酸配列からなるCGEN−GP1[配列番号:1]のオルソログ又はその誘導体である単離ペプチドを更に提供する。]
[0066] 本発明は,主として配列番号:35〜41のいずれか一つで示されるようなアミノ酸配列からなるCGEN−GP1[配列番号:4]のオルソログ又はその誘導体である単離ペプチドを更に提供する。]
[0067] 本発明は,主として配列番号:42〜52のいずれか一つで示されるようなアミノ酸配列からなるCGEN−GP1[配列番号:5]のオルソログ又はその誘導体である単離ペプチドを更に提供する。]
[0068] ここで用いる「パートナーへリックス(ペプチド)」という用語は,本発明のペプチドと物理的に相互作用するgp96親タンパク質内のアルファへリックスに対応するペプチドを包含すると理解すべきである。]
[0069] 従って,本発明は,主として本発明のペプチド又はそのホモログもしくは誘導体のパートナーへリックスに対応するアミノ酸配列からなるペプチドを更に提供する。]
[0070] 本発明は,主として配列番号:1で示されるアミノ酸配列を有するペプチドのパートナーへリックスに対応するアミノ酸配列からなるペプチドを提供する。]
[0071] 本発明は,主としてCGEN−GP1(配列番号:1)のパートナーヘリックスに対応するアミノ酸配列FLRELISNASDALDKIRLISLTDENALSGNEELTVKIK(配列番号:25)からなるペプチドを更に提供する。このペプチド配列番号:25はgp96タンパク質配列(ジェンバンク受入番号:gi|4507677_0|[ホモサピエンス(Homo sapiens)]|ENPL_HUMAN,配列番号:13)のアミノ酸残基100〜137に対応する。]
[0072] 本発明は,主としてCGEN−GP1(配列番号:1)の伸長されたパートナーヘリックスに対応するアミノ酸配列INSLYKNKEIFLRELISNASDALDKIRLISLTDENALSGNEELTVKIKCDKEK
NLLHV(配列番号:26)からなるペプチドを更に提供する。このペプチド配列番号:26はgp96タンパク質配列(ジェンバンク受入番号:gi|4507677_0|[ホモサピエンス]|ENPL_HUMAN,配列番号:13)のアミノ酸残基90〜147に対応する。]
[0073] 本発明は,本発明のペプチド内のエピトープと選択的に結合する抗体を更に提供する。一つの実施形態において,上記エピトープは配列番号:1〜3,27又は29のいずれか一つで表わされる本発明のペプチドに位置する。他の実施形態において,上記エピトープは配列番号:4〜6,31又は32のいずれか一つで表わされる本発明のペプチドに位置する。他の実施形態において,上記エピトープは配列番号:14〜24,35〜52のいずれか一つで表わされる本発明のペプチドに位置する。更なるもう一つの実施形態において,上記エピトープは配列番号:25〜26のいずれか一つで表わされる本発明のペプチドに位置する。]
[0074] 本発明は,本発明のペプチドと対応するパートナーヘリックスとの相互作用に由来したへリックス−へリックス構造中のエピトープと選択的に結合する抗体を更に提供する。]
[0075] 本発明は,配列番号:1〜6,14〜27,29,31〜32,35〜52のいずれか一つで表わされる本発明のペプチドを含む結合又は融合タンパク質を更に提供する。]
[0076] 本発明の実施形態としてここに示した全てのアミノ酸配列及び核酸配列はそれらの単離した形態に関連する。]
[0077] 非天然アミノ酸は,化学合成及びペプチド化学の当業者に既知である。非天然アミノ酸(各々L−又はD−立体配置である)の限定されない例示は,アジドアラニン,アジドホモアラニン,2−アミノ−5−ヘキシン酸,ノルロイシン,アジドノルロイシン,L−a−アミノ酪酸,3−(1−ナフチル)−アラニン,3−(2−ナフチル)−アラニン,p−エチニル−フェニルアラニン,m−エチニル−フェニルアラニン,p−エチニル−フェニルアラニン,p−ブロモフェニルアラニン,p−ヨードフェニルアラニン,p−アジドフェニルアラニン,3−(6−クロロインドリル)アラニン及び下記表1に表わしたものである。]
[0078] ]
[0079] ]
[0080] ]
[0081] ]
[0082] 本発明のペプチドに関連する「誘導体」という用語は,CGEN−GP1,CGEN−GP2,CGEN−GP3,CGEN−GP4又はCGEN−GP5と実質的に同じアミノ酸配列及び実質的に同じ生物学的活性を有するペプチドを包含すると理解すべきである。従って,誘導体は,限定されないが,糖鎖形成,アミド化,アセチル化,アルキル化,アルケニル化,アルキニル化,リン酸化,スルホン化,水酸化,水素化,環化などの改変によって,CGEN−GP1,CGEN−GP2,CGEN−GP3,CGEN−GP4又はCGEN−GP5ペプチドと相違する。従って,本発明のペプチドの誘導体は,CGEN−GP1,CGEN−GP2,CGEN−GP3,CGEN−GP4又はCGEN−GP5ペプチドと一以上のアミノ酸残基の改変によって相違するが,ただし生成したペプチドはCGEN−GP1,CGEN−GP2,CGEN−GP3,CGEN−GP4又はCGEN−GP5それぞれの生物学的活性を保持する。当業者は,確立した周知の処置を用いてどのアミノ酸残基を改変できるか容易に決定できる。一つの実施形態において,本発明のペプチドは,そのC末端でアミド化され,またそのN末端でアセチル化される。]
[0083] ここで用いる「CGEN−GP1と実質的に同じアミノ酸配列を有するペプチド」は,gp96タンパク質配列(ジェンバンク受入番号:gi|4507677,配列番号:13)のアミノ酸434〜490の配列断片に対応する少なくとも5個,好適には少なくとも8個,最大で57個のアミノ酸を有する合成ペプチドを包含すると理解すべきである。]
[0084] ここで用いる「CGEN−GP2と実質的に同じアミノ酸配列を有するペプチド」は,gp96タンパク質配列(ジェンバンク受入番号:gi|4507677,配列番号:13)のアミノ酸75〜129の配列断片に対応する少なくとも5個,好適には少なくとも8個,最大で55個のアミノ酸を有する合成ペプチドを包含すると理解すべきである。]
[0085] ここで用いる「CGEN−GP3と実質的に同じアミノ酸配列を有するペプチド」は,gp96タンパク質配列(ジェンバンク受入番号:gi|4507677,配列番号:13)のアミノ酸269〜320の配列断片に対応する少なくとも5個,好適には少なくとも8個,最大で52個のアミノ酸を有する合成ペプチドを包含すると理解すべきである。]
[0086] ここで用いる「CGEN−GP4と実質的に同じアミノ酸配列を有するペプチド」は,gp96タンパク質配列(ジェンバンク受入番号:gi|4507677,配列番号:13)のアミノ酸440〜490の配列断片に対応する少なくとも5個,好適には少なくとも8個,最大で51個のアミノ酸を有する合成ペプチドに及ぶと理解される。]
[0087] 本明細書で用いる「CGEN−GP5と実質的に同じアミノ酸配列を有するペプチド」は,gp96タンパク質配列(ジェンバンク受入番号:gi|4507677,配列番号:13)のアミノ酸444〜498の配列片に対応する少なくとも5個,好適には少なくとも8個及び最大で55個のアミノ酸を有する合成ペプチドを包含すると理解すべきである。]
[0088] ここで用いる「CGEN−GP1,CGEN−GP2,CGEN−GP3,CGEN−GP4又はCGEN−GP5と実質的に同じ生物学的活性を有するペプチド」は,CGEN−GP1,CGEN−GP2,CGEN−GP3,CGEN−GP4又はCGEN−GP5それぞれの生物学的活性の少なくとも80%を有するペプチドを包含すると理解すべきである。]
[0089] 本発明のペプチドは,当業者に周知の方法により合成的に(例えば,固相ペプチド合成により固体担持体上にまたは溶液中で)又は遺伝子組み換え手段(バクテリア,酵母,菌類,昆虫,脊椎動物又は哺乳類の細胞中で)により調製することができる。]
[0090] 一つの実施形態においては,ペプチドのアミノ酸残基に連結する一以上の結合が非ペプチド結合であるように本発明のペプチドを合成できる。]
[0091] 他の実施形態においては,本発明のペプチドを付加的な化学基で,例えばペプチドの安定性,生体利用効率及び/又は抑制活性を改変するように合成できる。例えば,アセチル基を本発明のペプチドのアミノ末端に配置してもよい。さらに又は代替的に,アミド基を本発明のペプチドのカルボキシ末端に付加してもよい。]
[0092] 更なるもう一つの実施形態においては,本発明のペプチドを特殊な立体配置で合成できる。例えば,本発明のペプチドの一以上のアミノ酸残基のD−異性体を普通のL−異性体よりもむしろ使用できる。]
[0093] 更なる実施形態においては,本発明のペプチドのアミノ酸残基の少なくとも一つを,限定されないが,アジドアラニン,アジドホモアラニン,2−アミノ−5−ヘキシン酸,ノルロイシン,アジドノルロイシン,L−a−アミノ酪酸,3−(1−ナフチル)−アラニン,3−(2−ナフチル)−アラニン,p−エチニル−フェニルアラニン,m−エチニル−フェニルアラニン,p−エチニル−フェニルアラニン,p−ブロモフェニルアラニン,p−ヨードフェニルアラニン,p−アジドフェニルアラニン,3−(6−クロロインドリル)アラニン及び本明細書中の表1に表わしたものから選択した周知の非天然的に生じたアミノ酸残基のいずれか一つによって置換できる。]
[0094] 他の実施形態において,本発明のペプチドは,そのアミノ及び/又はカルボキシ末端に共有結合する非ペプチド高分子キャリアー基を有することができる。かかる高分子キャリアー基の限定されない例としては,タンパク質,脂質−脂肪酸複合体,ポリエチレングリコール及び炭水化物がある。]
[0095] 本発明は,本発明のペプチド又はそのホモログもしくは誘導体と,薬学的に許容し得るキャリアーとを含む医薬組成物を更に提供する。本発明はまた,本発明の抗体と,薬学的に許容し得るキャリアーとを含む医薬組成物を提供する。本発明はさらに,本発明の融合タンパク質と,薬学的に許容し得るキャリアーとを含む医薬組成物を提供する。]
[0096] ペプチド又は本発明のペプチドを含む医薬組成物の投与に適する経路は,経口,直腸,肺性(例えば,吸入),経鼻,局所(経皮,口腔粘膜及び舌下を含む),膣内,脳内送達(例えば,脳室内,脳内及び対流強化拡散),CNS送達(例えば,くも膜下腔内,脊髄周囲,及び脊髄内)又は非経口(皮下,筋肉内,静脈内及び皮内を含む)投与もしくはインプラントを介する投与である。特定の実施形態において,ペプチド又は本発明のペプチドを含む医薬組成物を静脈内に投与できる。]
[0097] ペプチド又は本発明のペプチドを含む医薬組成物の投与の正確な投薬量及び投与計画は達成すべき治療効果(例えば,自己免疫疾患の治療)に必然的に依存し,特定の化合物,投与経路,並びに医薬品を投与する個々の被検体の年齢及び状態で変わりうる。]
[0098] ヒトに対する投薬量は,一日あたり体重1kgに対し0.1−10mgであると思われる。望ましい投薬量は,一回用量として又は適切な間隔で投与される複数回の分割用量として提示できる。]
[0099] 従って,本発明はまた,本発明のペプチド又はそのホモログもしくは誘導体(もしくはその抗体を含むか,または本発明のペプチドを含有する融合タンパク質を含む)を薬学的に許容し得る助剤,及び任意に他の治療薬と混合して含む医薬組成物に関する。かかる助剤は,組成物の他の成分と互換性があり,その受容体に有害であってはならないという意味で「許容し得る」でなければならない。]
[0100] 医薬組成物としては,経口,直腸,経鼻,局所(経皮,口腔粘膜及び舌下を含む),膣内,非経口(皮下,筋肉内,静脈内及び皮内を含む)又は肺性(吸入)投与,脳内送達(脳室内,脳内及び対流強化拡散を含む),CNS送達(くも膜下腔内,脊髄周囲,及び脊髄内を含む)もしくはインプラントを介する投与に適するものが挙げられる。該組成物は,製薬技術で周知のいずれかの方法によって調製できる。]
[0101] かかる方法は,本発明のペプチドをあらゆる助剤と合併する工程を含む。副成分とも言われる助剤としては,キャリアー,充填剤,結合剤,希釈剤,崩壊剤,潤滑剤,着色剤,香味料,抗酸化剤及び湿潤剤のような当業界で標準的なものが挙げられる。]
[0102] 経口投与に適する医薬組成物は,丸薬,錠剤,糖衣剤もしくはカプセルのような別々の投薬単位として,若しくは粉末もしくは顆粒として,又は溶液もしくは懸濁液として提供できる。また,活性成分をボーラス又はペーストとして与えることができる。組成物は直腸投与用の坐薬又は浣腸剤に更に加工できる。]
[0103] 本発明は,前述した用途への組成物の使用説明書を含む包装材料と組み合わせた前述のような医薬組成物を更に含む。]
[0104] 非経口投与に適する組成物は,水性又は非水性滅菌注射液を含む。組成物を単位投薬量又は多投薬量容器,例えば,密閉バイアル及びアンプルで提供でき,使用前に滅菌液体キャリアー,例えば水の添加だけを要求するフリーズドライ(凍結乾燥)状態で貯蔵できる。経皮投与としては,例えば,ゲル,パッチ又はスプレーが考えられる。例えば,経鼻吸入による肺性投与に適する組成物又は処方としては,加圧式定量エアロゾル,ネブライザー又はガス注入器によって生成できるダスト又はミストがある。]
[0105] 本発明は,医薬品製造への本発明のペプチド又はそのホモログもしくは誘導体の使用を更に提供する。本発明はまた,医薬品の製造用の本発明の抗体を提供する。加えて,本発明は,医薬品製造のための本発明の融合タンパク質を提供する。また,本発明は,治療での使用のための本発明のペプチド又はそのホモログもしくは誘導体を提供する。また,本発明は,治療での使用のための本発明の抗体を提供する。加えて,本発明は,治療での使用のための本発明の融合タンパク質を提供する。]
[0106] 一つの実施形態において,薬剤又は治療が,敗血症,敗血性ショック,内毒素ショック,内毒素貧血及び全身性炎症反応症候群(SIRS)の治療のためである。]
[0107] 他の実施形態において,薬剤又は治療は自己免疫疾患の治療のためである。]
[0108] ここで用いる「自己免疫疾患」という用語は,あらゆる自己免疫疾患を包含すると理解すべきである。本発明のペプチドで治療できる自己免疫疾患の限定されない例示は,多発性硬化症,乾癬,関節リウマチ,全身性紅斑性狼瘡(SLE),潰瘍性大腸炎,クローン病,移植片拒絶に関連した免疫性疾患,良性リンパ球性血管炎,紅斑性狼瘡,橋本自己免疫性甲状腺炎,原発性粘液水腫,グレーブス病,悪性貧血,自己免疫性 委縮性胃炎,アジソン病,インシュリン依存糖尿病,グッドパスチャー症候群,重症性筋無力症,天疱瘡,交感性眼炎,自己免疫性ブドウ膜炎,自己免疫性溶血性貧血,特発性血小板減少性紫斑病,原発性胆汁性肝硬変,慢性活動性肝炎,潰瘍性大腸炎,シェーグレン症候群,リウマチ性疾患,多発性筋炎,強皮症,混合性結合組織病,炎症性リウマチ,変性リウマチ,関節外リウマチ,コラーゲン病,慢性多発性関節炎,乾癬関節症,強直性脊髄炎,若年性関節リウマチ,上腕肩甲骨関節周囲炎,結節性多発動脈炎,進行性全身性硬化症,尿酸性関節炎,皮膚筋炎,筋肉リウマチ,心筋炎,筋肉炎,筋硬症,軟骨石灰化症,炎症性腸疾患(IBD),自己免疫性肝炎,自己免疫性心筋炎及び1型糖尿病である。]
[0109] 特定の実施形態において,自己免疫疾患は,強直性脊髄炎,乾癬,炎症性腸疾患(IBD),クローン病,潰瘍性大腸炎,全身性紅斑性狼瘡(SLE),シェーグレン症候群,多発性硬化症,関節リウマチ,自己免疫性肝炎,自己免疫性心筋炎,橋本自己免疫性甲状腺炎及び1型糖尿病からなる群から選択される。]
[0110] 更なるもう一つの実施形態において,薬剤又は治療は胃腸管系炎症性疾患の治療のためである。]
[0111] ここで用いる「胃腸管系炎症性疾患」という用語は,あらゆる胃腸管系炎症性疾患を包含すると理解すべきである。本発明のペプチドで治療できる胃腸管系炎症性疾患の限定されない例示は,バレット上皮,慢性胃炎,胃潰瘍,胃腸炎,潰瘍性大腸炎,全大腸炎,炎症性腸疾患(IBD)及びクローン病である。]
[0112] 更なるもう一つの実施形態において,薬剤又は治療は胃腸管系悪性疾患の治療のためである。]
[0113] ここで用いる「胃腸管系悪性疾患」という用語は,あらゆる胃腸管系悪性疾患を包含すると理解すべきである。本発明のペプチドで治療できる胃腸管系悪性疾患の限定されない例示は,胃癌,小腸癌,大腸癌及び食道腺癌である。]
[0114] 更なるもう一つの実施形態において,薬剤又は治療は気道の炎症を含む疾患の治療のためである。]
[0115] ここで用いる「気道の炎症を含む疾患」という用語は,気道の炎症を含むあらゆる疾患を包含すると理解すべきである。本発明に係るペプチドで治療できる気道の炎症を含む疾患の限定されない例示は,喘息,アレルギー,肺気腫,肺性炎症,環境性気道疾患,気道過敏症,慢性気管支炎,急性肺傷害,気管支疾患,肺疾患,嚢胞性繊維症,慢性閉塞性肺疾患(COPD),急性呼吸器疾患症候群(ARDS)及び重症急性呼吸器症候群(SARS)である。]
[0116] 更なるもう一つの実施形態において,薬剤又は治療は自己炎症性疾患の治療のためである。]
[0117] ここで用いる「自己炎症性疾患」という用語は,あらゆる自己炎症性疾患を包含すると理解すべきである。本発明のペプチドで治療できる自己炎症性疾患の限定されない例示は,正補体性じんま疹様血管炎,心膜炎,筋肉炎,抗シンセターゼ症候群,強膜炎,マクロファージ活性化症候群,ベーチェット症候群,PAPA症候群,ブラウ症候群,痛風,成人及び若年性スチル病,クリオピリン症,マックル−ウェルズ症候群,家族性寒冷誘導自己炎症性症候群,新生児期発症多臓器性炎症性疾患,家族性地中海熱,慢性乳児期発症神経皮膚関節症候群,全身型若年性特発性関節炎,高IgD症候群,シュニッツラー症候群及びTNF受容体関連周期熱症候群(TRAPS)である。]
[0118] 更なるもう一つの実施形態において,薬剤又は治療は臓器及び組織における虚血及び虚血後の事象に関連した虚血−再灌流傷害関連疾患の治療のためである。]
[0119] ここで用いる「臓器及び組織における虚血及び虚血後の事象に関連した虚血−再灌流傷害関連疾患」という用語は,臓器及び組織における虚血及び虚血後の事象に関連したあらゆる虚血−再灌流傷害関連疾患を包含すると理解すべきである。本発明のペプチドで治療できる臓器及び組織における虚血及び虚血後の事象に関連した虚血−再灌流傷害関連疾患の限定されない例示は,血栓性脳卒中,心筋梗塞,狭心症,塞栓性血管閉塞,末梢血管不全,内臓動脈閉塞症,血栓又は塞栓による動脈閉塞症,低腸間膜流又は敗血症が続くような非塞栓性過程による閉塞症,腸間膜動脈閉塞症,腸間膜静脈閉塞症,虚血−再灌流傷害から腸間膜微小循環,虚血性急性腎不全,大脳組織への虚血−再灌流傷害,腸重積,血行動態ショック,組織機能障害,臓器不全,再狭窄,アテローム動脈硬化,血栓症,血小板凝集,もしくは血管造影法,心肺脳蘇生法,心臓外科手術,臓器外科,臓器移植などの処置から生じた病気,並びに臓器移植の設置における冷却虚血−再灌流後に生じる全身性及び移植内の炎症性反応である。]
[0120] 更なるもう一つの実施形態において,薬剤又は治療は心臓血管系疾患の治療のためである。]
[0121] ここで用いる「心臓血管系疾患」という用語は,すべての心臓血管系疾患を包含すると理解すべきである。本発明のペプチドで治療できる心臓血管系疾患の限定されない例示は,抹消血管疾患及び冠動脈心疾患などの冠状動脈疾患,心筋梗塞,心臓傷害,鬱血性心不全,敗血症における心機能不全,心筋不全,心筋肥大,虚血性心筋症,脳卒中,血栓性脳卒中,心筋炎,心筋症,心筋炎,非代償性心不全,虚血性心筋疾患,先天性心臓疾患性狭心症,虚血及び虚血後の事象における虚血−再灌流傷害,脳血管発作,線維症,血小板凝集,アテローム動脈硬化,血栓症,冠動脈インターベンション後の再狭窄,並びに内膜肥厚,動脈新生である。]
[0122] 更なるもう一つの実施形態において,薬剤又は治療は重金属誘発疾患の治療のためである。]
[0123] ここで用いる「重金属誘発疾患」という用語は,あらゆる重金属誘発疾患を包含すると理解すべきである。本発明のペプチドで治療できるかかる疾病の限定されない例示は,鉛,亜鉛及びカドミウム中毒症である。]
[0124] 更なるもう一つの実施形態において,薬剤又は治療は腎臓病の治療のためである。]
[0125] ここで用いる「腎臓病」という用語は,あらゆる腎臓病を包含すると理解すべきである。本発明のペプチドで治療できるかかる疾病の限定されない例示は,腎臓障害,腎炎,細菌性腎盂腎炎,糸球体腎炎,狼瘡性腎炎,急性及び慢性腎不全並びに腎血管抵抗である。]
[0126] 更なるもう一つの実施形態において,薬剤又は治療は炎症性疾患のためのである。]
[0127] ここで用いる「炎症性疾患」という用語は,あらゆる炎症性疾患を包含すると理解すべきである。本発明のペプチドで治療できるかかる疾病の限定されない例示は,歯肉炎,歯周炎,肝炎,肝硬変,膵臓炎,心筋炎,血管炎,胃炎,痛風,通風性関節炎,並びに,乾癬,アトピー性皮膚炎,湿疹,しゅさ,じんま疹及び座瘡からなる群から選択された炎症性皮膚疾患である。]
[0128] 炎症性疾患とは,理論に縛られることなく,限定されないが,T細胞,B細胞及びナチュラルキラー(NK)細胞を含むリンパ球系細胞,並びに,限定されないが,樹状細胞及び骨髄サプレッサー細胞を含む骨髄系統の細胞によって媒介される疾患を言う。本発明のペプチドは,理論に縛られることなく,NK細胞により誘発された細胞障害活性を抑制し,樹状細胞表面上の同時刺激性分子の発現に対する効果を有し,樹状細胞の成熟化を抑制し及び/又は骨髄サプレッサー細胞により誘発された抑制効果を弱体化する。本発明のペプチドは,限定されないが,IL−1ベータ,TNFアルファ,IL−6のような炎症性サイトカイン,並びに,限定されないが,これらの細胞から分泌されたMIP2及びMIP1アルファのような炎症性ケモカインの循環レベルを低減する。]
[0129] 更なるもう一つの実施形態において,薬剤又は治療はウイルス,バクテリア,原生動物及び細胞間寄生体のような細胞間病原菌によって生じた感染症を含む感染性疾患の治療のためである。]
[0130] ここで用いる感染性疾患はあらゆる感染性の疾患を包含すると理解すべきである。本発明のペプチドで治療できるかかる疾病の限定されない例示は,ウイルス性,細菌性及び原虫感染性疾患である。]
[0131] 本発明のペプチドで治療できるウイルス性疾患の限定されない例示は,B型肝炎ウイルス,C型肝炎ウイルス,A型肝炎ウイルス,アデノ随伴ウイルス及びサイトメガロウイルスなどのパルボウイルス,パピローマウイルスなどのパポバウイルス,ポリオーマウイルス,SV40,アデノウイルス,単純ヘルペスウイルスI型(HTLV−I),単純ヘルペスウイルスII型(HTLV−II)及びエプスタイン・バーウイルス(EBV)などのヘルペスウイルス,痘瘡(天然痘)及びワクシニアウイルスなどのポックスウイルス,RNAウイルスとしては限定されないが,ヒト免疫不全ウイルスI型(HTLV−I),ヒト免疫不全ウイルスII型(HTLV−II),ヒトT細胞白血病ウイルスウイルスII型(HTLV−II),インフルエンザウイルス,麻疹ウイルス,狂犬病ウイルス,センダイウイルス,灰白髄炎ウイルスなどのピコルナウイルス,コクサッキーウイルス,ライノウイルス,レオウイルス,ウイルス及びセムリキ森林ウイルスなどのトガウイルス並びにアルボウイルスを含むRNAウイルスである。]
[0132] 本発明のペプチドで治療又は予防できる細菌性感染症の限定されない例示は,化膿性連鎖球菌,肺炎球菌,淋菌,髄膜炎菌,ジフテリア菌,ボツリヌス菌,ウェルシュ菌,破傷風菌,インフルエンザ桿菌,肺炎桿菌,クレブシエラ・オザナエ,クレブシエラ・リノスクレロマティス,黄色ブドウ球菌,コレラ菌,大腸菌,緑膿菌,カンピロバクター(ビブリオ)・フィタス,カンピロバクター・ジェジュニ,エロモナス・ハイドロフィラ,バチルス・セレウス,エドワージエラ・タルダ,エンテロコリチカ菌,ペスト菌,仮性結核菌,志賀赤痢菌,シゲラ・フレックスネリ,シゲラ・ソネイ,ネズミチフス菌,チフス菌,梅毒トレポネーマ,トレポネーマ・ペルテヌエ,トレポネーマ・カラテウム,バンサンボレリア,ライム病ボレリア,黄疸出血性レプトスピラ,結核菌,トキソプラズマ原虫,カリニ肺炎菌,野兎病菌,ウシ流産菌,ブタ流産菌,ヤギ流産菌,マイコプラズマ属,発疹チフスリケッチア,つつが虫病リッケチア,クラミジア属及びヘリコバクター・ピロリである。]
[0133] 本発明のペプチドで治療又は予防できる原虫感染症の限定されない例示は,赤痢アメーバ,口腔トリコモナス,腸トリコモナス,腟トリコモナス,ガンビアトリパノソーマ,ローデシアトリパノソーマ,クルーズトリパノソーマ,ドノバンリーシュマニア,熱帯リーシュマニア,ブラジルリーシュマニア,ニューモシスチス肺炎,三日熱マラリア原虫,熱帯熱マラリア原虫及び四日熱マラリア原虫である。]
[0134] 更なるもう一つの実施形態において,薬剤又は治療は癌の治療のためである。]
[0135] ここで用いる「癌の治療」又は「癌を治療する」という用語は,腫瘍サイズの低減,腫瘍増殖速度の低減,腫瘍遊走の低減,腫瘍の上皮間葉転換(EMT)の低減,腫瘍サイズの停滞,癌の侵襲性の低減,一病期から次期への腫瘍増殖速度の低減,悪性癌を有する哺乳類組織での腫瘍増殖の抑制,転移数の低減,追加転移数の低減,転移の確立の制御,腫瘍転移形成の抑制,確立した腫瘍の退行並びに癌によって誘発された血管新生の低減を達成することを包含すると理解すべきである。また,ここで用いる「癌の治療」又は「癌を治療する」という用語は,前処置(外科的切除術を含む)後の癌再発の予防及び癌を進展しがちな個体における癌の予防のような予防法を包含すると理解すべきである。被検体は,遺伝的に又は生活習慣,慢性炎症,C型肝炎(HCV),炎症性腸疾患(IBD)などにより癌を進展させやすい。]
[0136] ここで用いる「癌」という用語は,悪性増殖又は腫瘍を生じる異常で制御できない細胞分裂によって特徴づけられるあらゆる腫瘍性疾患(侵襲性又は転移性のいずれか)を包含すると理解すべきである。本発明のペプチドで治療又は予防できる癌の限定されない例示は,乳癌(例えば,乳癌腫),子宮頚癌,卵巣癌(卵巣癌腫),子宮内膜癌,メラノーマ,膀胱癌(膀胱癌腫),肺癌(例えば,腺癌及び非小細胞肺癌を含む),膵臓癌(例えば膵外分泌癌腫などの膵臓癌腫),大腸癌(例えば,大腸腺癌及び大腸線腫などの大腸癌腫),進行した疾病を含む前立腺癌,リンパ球系の造血性腫瘍(例えば,急性リンパ球白血病,B細胞白血病,バーキットリンパ腫),骨髄性白血病(例えば,急性骨髄性白血病(AML)),甲状腺濾胞癌,骨髄異形成症候群(MDS),間葉由来の腫瘍(例えば,線維肉腫及び横紋筋肉腫),メラノーマ,奇形癌腫,神経芽細胞腫,神経膠腫,神経膠芽腫,皮膚の良性腫瘍(例えば,角化棘細胞腫),腎臓癌,未分化大細胞リンパ腫,食道扁平細胞癌腫,肝細胞癌腫,濾胞樹状細胞癌腫,腸癌,侵襲性筋肉癌,精嚢腫瘍及び表皮癌腫である。]
[0137] 特定の実施形態において,癌は,固形腫瘍,肉腫,白血病,慢性リンパ性白血病,急性骨髄性白血病,慢性骨髄性白血病,多発性骨髄腫,ホジキンリンパ腫,非ホジキンリンパ腫を含むが限定されない悪性血液疾患,乳癌,前立腺癌,肺癌,卵巣癌,大腸癌,脾臓癌,腎臓癌,膀胱癌,頭頚部癌,子宮頚癌,精巣癌,胃癌,肝臓癌,骨癌,皮膚癌,メラノーマ,膵臓癌及び脳癌からなる群から選択される。]
[0138] もうひとつの実施形態において,癌は炎症誘発癌である。]
[0139] 腫瘍形成(新たな腫瘍又は複数の腫瘍の生成に関係するプロセス)の機構の一つは,慢性炎症によって誘発される(Pikarsky E,ら,Nature 2004 Sep 23;431(7007):461-6; MossSF,Blaser MJ. Nat Clin Pract Oncol. 2005 Feb;2(2):90-7; Karin M,Greten FR. Nat Rev Immunol. 2005 Oct; 5 (10) .749-59.)。また,慢性炎症は腫瘍維持の機構でもある。]
[0140] 理論に縛られることなく,腫瘍形成並びに侵襲性,遊走,上皮間葉転換(EMT)及び転移を含む多段階の腫瘍増殖を支援する炎症性疾患及び炎症性環境に対して用いる場合,本発明のペプチドは,限定されないが,IL−1ベータ,TNFアルファ,IL−6などの炎症性サイトカイン,並びに,限定されないが,MIP2及びMIP1アルファなどの炎症性ケモカインの循環レベルを低減する。]
[0141] 本発明のペプチドは,炎症誘発腫瘍形成及び腫瘍維持を弱体化する。]
[0142] 一つの実施形態において,癌は侵襲性である。他の実施形態において,癌は転移性である。]
[0143] 他の実施形態において,腫瘍転移はメラノーマ,乳癌,結腸直腸癌,前立腺癌又は肺癌から起こる。]
[0144] 本発明のペプチドでの転移性癌の治療を,メラノーマ,結腸直腸癌,乳癌,前立腺癌及び/又は肺癌のモデル系で試験する。]
[0145] 更なるもう一つの実施形態において,薬剤又は治療は,特には感染症関連早産及び子宮収縮の治療のためである。]
[0146] 更なるもう一つの実施形態において,薬剤又は治療は内毒素及び細菌性感染症の存在に関連した外科手術及び外科処置での合併症の治療のためである。]
[0147] 更なるもう一つの実施形態において,薬剤又は治療は臓器移植後の急性同種移植片拒絶反応の治療のためである。]
[0148] 本発明は,薬学的有効量の本発明に係るペプチドもしくはそのホモログ又は誘導体及び薬学的に許容し得るキャリアーを必要とする被検体に投与する工程を備える敗血症,敗血性ショック,内毒素ショック,内毒素貧血及び/又は全身性炎症反応症候群(SIRS)の治療方法を更に提供する。本発明はさらに,薬学的有効量の本発明の抗体及び薬学的に許容し得るキャリアーを必要とする被検体に投与する工程を備える敗血症,敗血性ショック,内毒素ショック,内毒素貧血,及び/又は全身性炎症反応症候群(SIRS)の治療方法を提供する。本発明はまた,薬学的有効量の本発明の融合タンパク質及び薬学的に許容し得るキャリアーを必要とする被検体に投与する工程を備える敗血症,敗血性ショック,内毒素ショック,内毒素貧血,及び/又は全身性炎症反応症候群(SIRS)の治療方法を提供する。]
[0149] 本発明は,薬学的有効量の本発明に係るペプチド又はそのホモログもしくは誘導体及び薬学的に許容し得るキャリアーを必要とする被検体に投与する工程を備える自己免疫疾患の治療方法を更に提供する。本発明はさらに,薬学的有効量の本発明の抗体及び薬学的に許容し得るキャリアーを必要とする被検体に投与する工程を備える自己免疫疾患の治療方法を更に提供する。本発明はまた,薬学的有効量の本発明の融合タンパク質及び薬学的に許容し得るキャリアーを必要とする被検体に投与する工程を備える自己免疫疾患の治療方法を提供する。]
[0150] 一つの実施形態において,自己免疫疾患は,多発性硬化症,乾癬,関節リウマチ,全身性紅斑性狼瘡(SLE),潰瘍性大腸炎,クローン病,移植片拒絶に関連した免疫性疾患,良性リンパ球性血管炎,紅斑性狼瘡,橋本自己免疫性甲状腺炎,原発性粘液水腫,グレーブス病,悪性貧血,自己免疫性萎縮性胃炎,アジソン病,インシュリン依存糖尿病,グッドパスチャー症候群,重症性筋無力症,天疱瘡,交感性眼炎,自己免疫性ブドウ膜炎,自己免疫性溶血性貧血,特発性血小板減少性紫斑病,原発性胆汁性肝硬変,慢性活動性肝炎,潰瘍性大腸炎,シェーグレン症候群,リウマチ性疾患,多発性筋炎,強皮症,混合性結合組織病,炎症性リウマチ,変性リウマチ,関節外リウマチ,コラーゲン病,慢性多発性関節炎,乾癬関節症,強直性脊髄炎,若年性関節リウマチ,上腕肩甲骨関節周囲炎,結節性汎動脈炎,進行性全身性硬化症,尿酸性関節炎,皮膚筋炎,筋肉リウマチ,心筋炎,筋肉炎,筋硬症,軟骨石灰化症,炎症性腸疾患(IBD),自己免疫性肝炎,自己免疫性心筋炎及び1型糖尿病からなる群から選択される。]
[0151] 他の実施形態において,自己免疫疾患は,強直性脊髄炎,乾癬,炎症性腸疾患(IBD),クローン病,潰瘍性大腸炎,全身性紅斑性狼瘡(SLE),シェーグレン症候群,多発性硬化症,関節リウマチ,自己免疫性肝炎,自己免疫性心筋炎,橋本自己免疫性甲状腺炎及び1型糖尿病からなる群から選択される。]
[0152] 本発明は,薬学的有効量の本発明に係るペプチド又はそのホモログもしくは誘導体及び薬学的に許容し得るキャリアーを必要とする被検体に投与する工程を備える胃腸管系炎症性疾患の治療方法を更に提供する。本発明はさらに,薬学的有効量の本発明の抗体及び薬学的に許容し得るキャリアーを必要とする被検体に投与する工程を備える胃腸管系炎症性疾患の治療方法を提供する。本発明はまた,薬学的有効量の本発明の融合タンパク質及び薬学的に許容し得るキャリアーを必要とする被検体に投与する工程を備える胃腸管系炎症性疾患の治療方法を提供する。]
[0153] 一つの実施形態において,胃腸管系炎症性疾患は,バレット上皮,慢性胃炎,胃潰瘍,胃腸炎,潰瘍性大腸炎,全大腸炎,炎症性腸疾患(IBD)及びクローン病からなる群から選択される。]
[0154] 本発明は,薬学的有効量の本発明に係るペプチド又はそのホモログもしくは誘導体及び薬学的に許容し得るキャリアーを必要とする被検体に投与する工程を備える胃腸管系悪性疾患の治療方法を更に提供する。本発明はさらに,薬学的有効量の本発明の抗体及び薬学的に許容し得るキャリアーを必要とする被検体に投与する工程を備える胃腸管系悪性疾患の治療方法を提供する。本発明はまた,薬学的有効量の本発明の融合タンパク質及び薬学的に許容し得るキャリアーを必要とする被検体に投与する工程を備える胃腸管系悪性疾患の治療方法を提供する。]
[0155] 一つの実施形態において,胃腸管系悪性疾患は,胃癌,小腸癌,大腸癌及び食道腺癌からなる群から選択される。]
[0156] 本発明は,薬学的有効量の本発明に係るペプチド又はそのホモログもしくは誘導体及び薬学的に許容し得るキャリアーを必要とする被検体に投与する工程を備える気道の炎症を含む疾患の治療方法を更に提供する。本発明はさらに,薬学的有効量の本発明の抗体及び薬学的に許容し得るキャリアーを必要とする被検体に投与する工程を備える気道の炎症を含む疾患の治療方法を更に提供する。本発明はまた,薬学的有効量の本発明の融合タンパク質及び薬学的に許容し得るキャリアーを必要とする被検体に投与する工程を備える気道の炎症を含む疾患の治療方法を提供する。]
[0157] 一つの実施形態において,気道の炎症を含む疾患は,喘息,アレルギー,肺気腫,肺性炎症,環境性気道疾患,気道過敏症,慢性気管支炎,急性肺傷害,気管支疾患,肺疾患,嚢胞性繊維症,慢性閉塞性肺疾患(COPD),急性呼吸器疾患症候群(ARDS)及び重症急性呼吸器症候群(SARS)からなる群から選択される。]
[0158] 本発明は,薬学的有効量の本発明に係るペプチド又はそのホモログもしくは誘導体及び薬学的に許容し得るキャリアーを必要とする被検体に投与する工程を備える自己炎症性疾患の治療方法を更に提供する。本発明はさらに,薬学的有効量の本発明の抗体及び薬学的に許容し得るキャリアーを必要とする被検体に投与する工程を備える自己炎症性疾患の治療方法を提供する。本発明はまた,薬学的有効量の本発明の融合タンパク質及び薬学的に許容し得るキャリアーを必要とする被検体に投与する工程を備える自己炎症性疾患の治療方法を提供する。]
[0159] 一つの実施形態において,自己炎症性疾患は,正補体性じんま疹様血管炎,心膜炎,筋肉炎,抗シンセターゼ症候群,強膜炎,マクロファージ活性化症候群,ベーチェット症候群,PAPA症候群,ブラウ症候群,痛風,成人及び若年性スチル病,クリオピリン症,マックル−ウェルズ症候群,家族性寒冷誘導自己炎症性症候群,新生児期発症多臓器性炎症性疾患,家族性地中海熱,慢性乳児期発症神経皮膚関節症候群,全身型若年性特発性関節炎,高IgD症候群,シュニッツラー症候群及びTNF受容体関連周期熱症候群(TRAPS)からなる群から選択される。]
[0160] 本発明は,薬学的有効量の本発明に係るペプチド又はそのホモログもしくは誘導体及び薬学的に許容し得るキャリアーを必要とする被検体に投与する工程を備える臓器及び組織における虚血及び虚血後の事象に関連した虚血−再灌流傷害関連疾患の治療方法を更に提供する。本発明はさらに,薬学的有効量の本発明の抗体及び薬学的に許容し得るキャリアーを必要とする被検体に投与する工程を備える臓器及び組織における虚血及び虚血後の事象に関連した虚血−再灌流傷害関連疾患の治療方法を提供する。本発明はまた,薬学的有効量の本発明の融合タンパク質及び薬学的に許容し得るキャリアーを必要とする被検体に投与する工程を備える臓器及び組織における虚血及び虚血後の事象に関連した虚血−再灌流傷害関連疾患の治療方法を提供する。]
[0161] 一つの実施形態において,虚血−再灌流傷害関連疾患は,血栓性脳卒中,心筋梗塞,狭心症,塞栓性血管閉塞,末梢血管不全,内臓動脈閉塞症,血栓又は塞栓による動脈閉塞症,低腸間膜流又は敗血症が続くような非塞栓性過程による閉塞症,腸間膜動脈閉塞症,腸間膜静脈閉塞症,虚血−再灌流傷害から腸間膜微小循環,虚血性急性腎不全,大脳組織への虚血−再灌流傷害,腸重積,血行動態ショック,組織機能障害,臓器不全,再狭窄,アテローム動脈硬化,血栓症,血小板凝集,血管造影法,心肺脳蘇生法,心臓外科手術,臓器外科,臓器移植などの処置に起因する病気並びに臓器移植の設置における冷却虚血−再灌流後に生じる全身性及び移植内の炎症性反応からなる群から選択される。]
[0162] 本発明は,薬学的有効量の本発明に係るペプチド又はそのホモログもしくは誘導体及び薬学的に許容し得るキャリアーを必要とする被検体に投与する工程を備える心臓血管系疾患の治療方法を更に提供する。本発明はさらに,薬学的有効量の本発明の抗体及び薬学的に許容し得るキャリアーを必要とする被検体に投与する工程を備える心臓血管系疾患の治療方法を提供する。本発明はまた,薬学的有効量の本発明の融合タンパク質及び薬学的に許容し得るキャリアーを,それを必要とする被検体に投与する工程を備える心臓血管系疾患の治療方法を提供する。]
[0163] 一つの実施形態において,心臓血管系疾患は,抹消血管疾患及び冠状動脈疾患からなる群から選択される。他の実施形態において,冠状動脈疾患は,心筋梗塞,心臓傷害,鬱血性心不全,敗血症における心機能不全,心筋不全,心筋肥大,虚血性心筋症,脳卒中,血栓性脳卒中,心筋炎,心筋症,心筋炎,非代償性心不全,虚血性心筋疾患,先天性心臓疾患性狭心症,虚血及び虚血後の事象における虚血−再灌流傷害,脳血管発作,線維症,血小板凝集,アテローム動脈硬化,血栓症,冠動脈インターベンション後の再狭窄,内膜増殖及び動脈新生からなる群から選択される。]
[0164] 本発明は,薬学的有効量の本発明に係るペプチド又はそのホモログもしくは誘導体及び薬学的に許容し得るキャリアーを必要とする被検体に投与する工程を備える重金属誘発疾患の治療方法を更に提供する。本発明はさらに,薬学的有効量の本発明の抗体及び薬学的に許容し得るキャリアーを必要とする被検体に投与する工程を備える重金属誘発疾患の治療方法を提供する。本発明はまた,薬学的有効量の本発明の融合タンパク質及び薬学的に許容し得るキャリアーを必要とする被検体に投与する工程を備える重金属誘発疾患の治療方法を提供する。]
[0165] 一つの実施形態において,重金属誘発疾患は,鉛,亜鉛及びカドミウム中毒症からなる群から選択される。]
[0166] 本発明は,薬学的有効量の本発明に係るペプチド又はそのホモログもしくは誘導体及び薬学的に許容し得るキャリアーを必要とする被検体に投与する工程を備える腎臓病の治療方法を更に提供する。本発明はさらに,薬学的有効量の本発明の抗体及び薬学的に許容し得るキャリアーを必要とする被検体に投与する工程を備える腎臓病の治療方法を提供する。本発明はまた,薬学的有効量の本発明の融合タンパク質及び薬学的に許容し得るキャリアーを必要とする被検体に投与する工程を備える腎臓病の治療方法を提供する。]
[0167] 一つの実施形態において,腎臓病は,腎臓障害,腎炎,細菌性腎盂腎炎,糸球体腎炎,狼瘡性腎炎,急性及び慢性腎不全及び腎血管抵抗からなる群から選択される。]
[0168] 本発明は,薬学的有効量の本発明に係るペプチド又はそのホモログもしくは誘導体及び薬学的に許容し得るキャリアーを必要とする被検体に投与する工程を備える炎症性疾患の治療方法を更に提供する。本発明はさらに,薬学的有効量の本発明の抗体及び薬学的に許容し得るキャリアーを必要とする被検体に投与する工程を備える炎症性疾患の治療方法を提供する。本発明はまた,薬学的有効量の本発明の融合タンパク質及び薬学的に許容し得るキャリアーを必要とする被検体に投与する工程を備える炎症性疾患の治療方法を提供する。]
[0169] 一つの実施形態において,炎症性疾患は,歯肉炎,歯周炎,肝炎,肝硬変,膵臓炎,心筋炎,血管炎,胃炎,痛風,通風性関節炎,並びに,乾癬,アトピー性皮膚炎,湿疹,しゅさ,じんま疹及び座瘡からなるリストから選択された炎症性皮膚疾患からなる群から選択される。]
[0170] 本発明は,薬学的有効量の本発明に係るペプチド又はそのホモログもしくは誘導体及び薬学的に許容し得るキャリアーを必要とする被検体に投与する工程を備える細胞間病原菌によって引き起こされた感染症の治療方法を更に提供する。本発明はさらに,薬学的有効量の本発明の抗体及び薬学的に許容し得るキャリアーを必要とする被検体に投与する工程を備える感染症の治療方法を提供する。本発明はまた,薬学的有効量の本発明の融合タンパク質及び薬学的に許容し得るキャリアーを必要とする被検体に投与する工程を備える感染症の治療方法を提供する。]
[0171] 一つの実施形態において,感染症は,ウイルス,バクテリア,プロトゾア及び細胞間寄生体からなる群から選択された細胞間病原菌によって引き起こされる。]
[0172] 本発明は,薬学的有効量の本発明に係るペプチド又はそのホモログもしくは誘導体及び薬学的に許容し得るキャリアーを必要とする被検体に投与する工程を備える癌の治療方法を更に提供する。本発明はさらに,薬学的有効量の本発明の抗体及び薬学的に許容し得るキャリアーを必要とする被検体に投与する工程を備える癌の治療方法を提供する。本発明はまた,薬学的有効量の本発明の融合タンパク質及び薬学的に許容し得るキャリアーを必要とする被検体に投与する工程を備える癌の治療方法を提供する。]
[0173] 特定の実施形態において,癌は,固形腫瘍,肉腫,悪性血液疾患としては限定されないが,白血病,慢性リンパ性白血病,急性骨髄性白血病,慢性骨髄性白血病,多発性骨髄腫,ホジキンリンパ腫,非ホジキンリンパ腫を含む悪性血液疾患,乳癌,前立腺癌,肺癌,卵巣癌,大腸癌,脾臓癌,腎臓癌,膀胱癌,頭頚部癌,子宮頚癌,精巣癌,胃癌,肝臓癌,骨癌,皮膚癌,メラノーマ,膵臓癌及び脳癌からなる群から選択される。]
[0174] 一つの実施形態において,癌は侵襲性である。他の実施形態において,癌は転移性である。]
[0175] 本発明は,薬学的有効量の本発明に係るペプチド又はそのホモログもしくは誘導体及び薬学的に許容し得るキャリアーを必要とする被検体に投与する工程を備える特に感染症関連早産及び/又は子宮収縮の治療方法を更に提供する。本発明はさらに,薬学的有効量の本発明の抗体及び薬学的に許容し得るキャリアーを必要とする被検体に投与する工程を備える特に感染症関連早産及び/又は子宮収縮の治療方法を提供する。本発明はまた,薬学的有効量の本発明の融合タンパク質及び薬学的に許容し得るキャリアーを必要とする被検体に投与する工程を備える特に感染症関連早産及び/又は子宮収縮の治療方法を提供する。]
[0176] 本発明は,薬学的有効量の本発明に係るペプチド又はそのホモログもしくは誘導体及び薬学的に許容し得るキャリアーを必要とする被検体に投与する工程を備える内毒素及び細菌性感染症の存在に関連した外科手術及び外科処置での合併症の治療方法を更に提供する。本発明はさらに,薬学的有効量の本発明の抗体及び薬学的に許容し得るキャリアーを必要とする被検体に投与する工程を備える内毒素及び細菌性感染症の存在に関連した外科手術及び外科処置での合併症の治療方法を提供する。本発明はまた,薬学的有効量の本発明の融合タンパク質及び薬学的に許容し得るキャリアーを必要とする被検体に投与する工程を備える内毒素及び細菌性感染症の存在に関連した外科手術及び外科処置での合併症の治療方法を提供する。]
[0177] 本発明は,薬学的有効量の本発明に係るペプチド又はそのホモログもしくは誘導体及び薬学的に許容し得るキャリアーを必要とする被検体に投与する工程を備える臓器移植後の急性同種移植片拒絶反応の治療方法を更に提供する。本発明はさらに,薬学的有効量の本発明の抗体及び薬学的に許容し得るキャリアーを必要とする被検体に投与する工程を備える臓器移植後の急性同種移植片拒絶反応の治療方法を提供する。本発明はまた,薬学的有効量の本発明の融合タンパク質及び薬学的に許容し得るキャリアーを必要とする被検体に投与する工程を備える臓器移植後の急性同種移植片拒絶反応の治療方法を提供する。]
[0178] ここで用いる「治療」という用語は,上記疾病,疾患又は病気の有害作用を予防し,治癒し,逆転し,弱体化し,軽減し,最小化し,抑止し又は停止することを言うものと理解すべきである。]
[0179] 本発明に係る治療は,被検体内で本発明のペプチドの少なくとも一つの発現を特異的に上方調節することによって行うことができる。]
[0180] 上方調節は,ここに記載したような本発明のペプチドの少なくとも一つを被検体に投与することによって任意に行い得る。]
[0181] 代替的又は付加的に,上方調節方法は,被検体における本発明のペプチドの少なくとも一つの量(任意に発現する)を特異的に上方調節ことによって任意に行い得る。]
[0182] 本発明に係る上記疾病の治療を当業界で既知の他の治療方法と組み合わせる(すなわち,併用療法)ことができることが理解できる。従って,本発明のペプチド,抗体又は融合タンパク質を用いる疾病の治療を,例えば,放射線治療,抗体治療及び/又は化学治療,外科手術又は免疫抑制剤又は細胞障害性薬などの常用薬との併用療法と組み合わせることができる。]
[0183] また,本発明のペプチド,抗体,融合タンパク質又は医薬組成物は,限定されないが,エストロゲン,アンドロゲン,プロゲスターゲン,タモキシフェン,抗黄体ホルモン剤,細胞障害性及び胞分裂阻害剤などの化学治療薬,インターフェロン及びインターロイキンなどの免疫賦活剤,成長ホルモン又は他のサイトカイン,葉酸,ビタミン類,ミネラル類,アロマターゼ阻害薬,RNAi,ヒストン脱アセチル化酵素阻害薬,プロテアソーム阻害剤を含む他の化合物との組み合わせ及び/又は外科手術及び/又は放射線治療などとの組み合わせで投与できる。]
[0184] ここで用いる被検体は,男性又は女性被検体であってもよく,ヒトの被検体又は他の哺乳類であってもよい。]
[0185] 理論に縛られることなく,本発明のペプチドがgp96の内部セグメント−セグメント相互作用を妨げて,その活性状態に到達するのを防止することができる。]
[0186] 本発明のペプチドの作用機構は,理論に縛られることなく,本発明の各生体活性なペプチドのパートナーへリックスに対応するセグメントへのgp96親タンパク質の結合である。]
[0187] 本発明はさらに,本発明のペプチド又はそのホモログをエンコードする(ポリ)ヌクレオチド配列を提供する。]
[0188] ここで用いる「本発明のペプチド又はそのホモログをエンコードする(ポリ)ヌクレオチド配列」とは,本発明のペプチド又はそのホモログをエンコードするあらゆるヌクレオチド配列を包含すると理解すべきである。当業者に既知のように,既知の遺伝コードの縮重(コドン可変性)のために,アミノ酸は一以上のコドンによってコードできる。実際に,数種のアミノ酸は六個の代替的なコドン(例えば,ロイシン)を有し,一方他の数種は単一の必須コドン(例えば,メチオニン)を有する。]
[0189] 一つの実施形態において,本発明のポリヌクレオチド配列は,配列番号:1をエンコードするものである。一つの実施形態において,ヌクレオチド配列は,配列番号:7で示されるものである。]
[0190] 他の実施形態において,本発明のポリヌクレオチド配列は,配列番号:2をエンコードするものである。一つの実施形態において,ヌクレオチド配列は,配列番号:8で示されるものである。]
[0191] 一つの実施形態において,本発明のポリヌクレオチド配列は,配列番号:3をエンコードするものである。一つの実施形態において,ヌクレオチド配列は,配列番号:9で示されるものである。]
[0192] もうひとつの実施形態において,本発明のポリヌクレオチド配列は,配列番号:4をエンコードするものである。一つの実施形態において,ヌクレオチド配列は,配列番号:10で示されるものである。]
[0193] 一つの実施形態において,本発明のポリヌクレオチド配列は,配列番号:5をエンコードするものである。一つの実施形態において,ヌクレオチド配列は,配列番号:11で示されるものである。]
[0194] 他の実施形態において,本発明のポリヌクレオチド配列は,配列番号:6をエンコードするものである。一つの実施形態において,ヌクレオチド配列は,配列番号:12で示されるものである。]
[0195] 他の実施形態において,本発明のポリヌクレオチド配列は,配列番号:27をエンコードするものである。一つの実施形態において,ヌクレオチド配列は,配列番号:28で示されるものである。]
[0196] 他の実施形態において,本発明のポリヌクレオチド配列は,配列番号:29をエンコードするものである。一つの実施形態において,ヌクレオチド配列は,配列番号:30で示されるものである。]
[0197] 他の実施形態において,本発明のポリヌクレオチド配列は,配列番号:31をエンコードするものである。一つの実施形態において,ヌクレオチド配列は,配列番号:33で示されるものである。]
[0198] 他の実施形態において,本発明のポリヌクレオチド配列,配列番号:32をエンコードするものである。一つの実施形態において,ヌクレオチド配列は,配列番号:34で示されるものである。]
[0199] ここで用いる「抗体」という用語は,免疫グロブリン遺伝子又は複数の免疫グロブリン遺伝子もしくはその断片によって実質的にエンコードされ,エピトープ(例えば,抗原)を特異的に結合しかつ認識するポリペプチドリガンドを包含すると理解すべきである。]
[0200] 抗体は,例えば無処置免疫グロブリンとして,又は断片,例えば種々のペプチダーゼでの消化によって産生した断片として提供できる。これは,例えば,Fab'及びF(ab)'2Fv断片(二本鎖として発現した軽鎖の可変領域及び重鎖の可変領域を含む遺伝子改変断片として定義される)及び単鎖抗体(「SCAs」),遺伝的融合単鎖分子として適切なポリペプチドリンカーによって連結した軽鎖の可変領域及び重鎖の可変領域を含む遺伝子改変分子を含む。]
[0201] また,ここで用いる「抗体」という用語は,例えば,抗体全体の改変によって製造されるか,又は組換えDNA法を用いて新規に合成された抗体断片も含む。]
[0202] 「抗体」という用語は,限定されないが,ポリクローナル抗体,モノクローナル抗体,キメラ抗体,ヒト化抗体又は単鎖抗体を含む。一つの実施形態において,本発明の抗体はモノクローナル抗体である。]
[0203] 抗体の「Fc」部分とは,一以上の重鎖定常領域ドメイン,CH1,CH2及びCH3を含むが,重鎖可変領域を含まない免疫グロブリン重鎖の部分を言う。]
[0204] 本発明の抗体は,例えば,検出可能な標識,放射性標識,酵素,蛍光標識,発光標識,生物発光標識,治療薬などに接合又は結合できる。]
[0205] ポリクローナル及びモノクローナル抗体並びにその断片の製造方法は,当業界で周知である(例えば,Harlow and Lane,「抗体:実験マニュアル」,Cold Spring Harbor Laboratory,New York,1988を参照,ここに参照して援用する)。]
[0206] 抗体断片は,抗体のタンパク質加水分解によるか,又は,例えば大腸菌もしくは哺乳類の細胞(例えば,チャイニーズハムスター卵巣細胞培養物又は他のタンパク質発現系)における断片をエンコードするDNAの発現によって調製できる。抗体断片は,従来法による全抗体のペプシン又はパパイン消化によって得ることができる。]
[0207] 抗体は,例えば単一の相補性決定領域(CDR)に相当し得る。CDRペプチド(「最小認識単位」)は,着目した抗体のCDRをエンコードする遺伝子を構築することで得ることができる。かかる遺伝子は,例えば,ポリメラーゼ連鎖反応を用いて抗体産生細胞のRNAから多様な領域を合成することにより調製される。例えば,Larrick and Fry Methods,2:106-10 (1991)参照。]
[0208] 非ヒト(例えば,マウス)抗体のヒト化形態は,免疫グロブリンのキメラ分子,又はその免疫グロブリン鎖もしくは断片(抗体のFv,Fab,Fab’,F(ab’)又は他の抗原結合配列など)とすることができ,非ヒト免疫グロブリンに由来した通常約20〜50個のアミノ酸の短い配列を含む。ヒト化抗体はヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)を含み,この場合レシピエントの相補性決定領域(CDR)からの残基が所望の特異性,親和性及び能力を有するマウス,ラット又はウサギなどの非ヒト種(ドナー抗体)のCDRからの残基と置き換えられる。ある場合には,ヒト免疫グロブリンのFvフレームワーク残基が対応する非ヒト残基と置き換えられる。]
[0209] ヒト化抗体はまた,レシピエント抗体内若しくは移入CDR又はフレームワーク(FR)配列内にも見られない残基を含むことができる。一般に,ヒト化抗体は,少なくとも一つ,典型的には二つの可変ドメインのほぼ全てを含み,この場合CDR領域の全て又は実質的に全てが非ヒト免疫グロブリンのものと対応し,フレームワーク(FR)領域の全て又は実質的に全てがヒト免疫グロブリン共通配列のものである。ヒト化抗体はまた,任意に免疫グロブリン定常領域(Fc)の少なくとも一部,典型的にはヒト免疫グロブリンのものを含む[Jonesら,Nature,321:522-525 (1986); Riechmannら,Nature,332:323-329 (1988);及びPresta,Curr. Op. Struct. Biol,2:593-596 (1992)]。]
[0210] 非ヒト抗体をヒト化する方法は当業界で周知である。一般に,ヒト化抗体は,非ヒトである給源から導入された一つ以上のアミノ酸残基を有する。これら非ヒトアミノ酸残基はしばしば移入残基と呼ばれ,典型的には移入可変ドメインから取得される。ヒト化を,例えば,げっ歯類CDRs又は他のCDR配列をヒト抗体の対応する配列と置換することで行うことができる。したがって,かかるヒト化抗体は,実質的に無傷のヒト可変ドメイン未満のものが対応する非ヒト種から配列によって置換されたキメラ抗体である(例えば,米国特許第4,816,567号参照)。実際,ヒト化抗体は通常数個のCDR残基及びおそらく数個のFR残基が,例えば,げっ歯類抗体内の類似の部位からの残基によって置換されたヒト抗体である。]
[0211] また,ヒト抗体を,ファージディスプレイライブラリーを含む当業界で既知の多種の技術を用いて産生することができる[Hoogenboom and Winter,J. MoI Biol,227:381 (1991); Marks ら,J. MoI. Biol,222:581 (1991)]。また,Coleら及びBoernerらの技術もヒトモノクローナル抗体の調製に利用することができる [Coleら,「モノクローナル抗体及び癌治療法」,Alan R. Liss,p. 77 (1985)及びBoernerら,J. ImmunoL−147(l):86-95 (1991)]。同様に,ヒト抗体を,例えば内因性免疫グロブリン遺伝子が部分的に又は完全に不活性化されているマウスなどの遺伝子組み換え動物へヒト免疫グロブリン座を導入することにより調製できる。抗原投与によりヒト抗体産生が観察され,遺伝子再配列,構築及び抗体レパートリーを含むあらゆる観点においてヒトで見られるものと密接に類似する。この手法は,例えば,米国特許第5,545,807号,第5,545,806号,第5,569,825号,第5,625,126号,第5,633,425号,第5,661,016号及びMarksら,Bio/Technology 10,:779-783 (1992); Lonbergら,Nature 368:856-859 (1994); Morrison,Nature 368 812-13 (1994); Fishwildら,Nature Biotechnology 14,845-51 (1996); Neuberger,Nature Biotechnology 14:826 (1996); and Lonberg and Huszar,Intern. Rev. ImmunoL−13,65-93 (1995)に記載されている。]
[0212] 本発明の抗体は本発明のペプチドに特異的に(又は選択的に)結合する。抗体に「特異的に(又は選択的に)結合する」という用語又は「特異的に(又は選択的に)免疫反応性である」という用語は,タンパク質又はペプチドに関して,ペプチド及び他の生物製剤の異種集団におけるペプチドの存在の決定因である結合反応を言う。従って,指定された免疫アッセイ条件下で,特異的抗体は特定のペプチドに少なくとも背景の二倍結合し,試料中に存在する他のタンパク質又はペプチドと実質的に有意な量で結合しない。かかる条件下で抗体へ特異的に結合するには,特定のペプチドに対し特異性に関し選択された抗体を要求し得る。多種の免疫アッセイのフォーマットを用いて,特定のペプチドと特異的に免疫反応性である抗体を選択することができる。例えば,固相ELISA免疫アッセイを日常的に用いてタンパク質又はペプチドと特異的に免疫反応性である抗体を選択する(例えば,Harlow & Lane,「抗体,実験マニュアル」(1988)参照)。]
[0213] 一般に,特異的又は選択的反応は,背景信号又は雑音の少なくとも二倍,より典型的には背景の10〜100倍より大きい。]
[0214] 「結合」及び「融合タンパク質」という用語及びその言語的な誘導体は,ここで互換的に使用される。]
[0215] 本発明は,他のペプチド又はポリペプチドに結合又は融合した本発明のペプチドを更に提供する。かかる結合/融合タンパク質は,限定されないが,化学合成又は組換え技術を用いる結合/融合タンパク質の調製に対する当業界で既知のあらゆる技術によって調製できる。]
[0216] 本発明のペプチドに結合/融合し得るペプチド又はポリペプチドの例としては,多重抗原ペプチド(MAP),免疫グロブリン及びシグナル配列のFc鎖である。]
[0217] 一つの実施形態において,本発明のペプチドに結合し得るペプチド又はポリペプチドは,免疫グロブリン配列 (例えば,IgG配列)である。免疫反応性リガンド(例えば,標的部分として役立つことができる)の限定されない例としては,抗原認識免疫グロブリン (ここでは「抗体」とも言う)及びその抗原認識断片,例えば腫瘍関連抗原を認識できる免疫グロブリンである。]
[0218] ここで用いる「免疫グロブリン」は,IgG,IgA,IgM,IgD又はIgEのような免疫グロブリンのあらゆる認識されるクラス又はサブクラスを言うものと理解すべきである。一つの実施形態において,免疫グロブリンは,免疫グロブリンのIgGクラスである。免疫グロブリンは,限定されないが,ヒト,マウス又はウサギ源などのあらゆる種に由来してもよい。加えて,免疫グロブリンはポリクローナル又はモノクローナルであってもよい。一つの実施形態において,免疫グロブリンはモノクローナルである。]
[0219] 結合/融合タンパク質は,本発明に係るペプチドから,例えば免疫グロブリンの定常領域を含む免疫グロブリンの部分との融合によって調製できる。一つの実施形態において,免疫グロブリンの部分は重鎖定常領域を含む。他の実施形態において,重鎖定常領域はヒト重鎖定常領域からなる。更なる他の実施形態において,重鎖定常領域はIgG重鎖定常領域である。更なる他の実施形態において,重鎖定常領域はFc鎖である。更なる他の実施形態において,Fc鎖はCH2及びCH3ドメインを含むIgGのFc断片である。更なる他の実施形態において,IgGのFc断片はIgG1サブタイプである。Fc鎖は既知又は「野生型」Fc鎖であってもよく,もしくは変異していてもよい。変異の限定されない説明的な例示タイプは,米国特許出願公開第20060034852号に記載されており,ここに全てを参照して援用する。]
[0220] 個々で用いる「Fc鎖」という用語は,あらゆるタイプのFc断片を包含すると理解すべきである。IgGサブクラスにおける抗体の定常領域媒介活性に重要な数種の特異的アミノ酸残基が同定された。従って,これら特異的アミノ酸の封入,置換又は排除は,特異的な免疫グロブリンの定常領域媒介活性の封入又は排除を可能にする。更に,特異的改変は,例えば,糖鎖形成及び/又は他の望ましいFc鎖への改変になってもよい。改変を,例えば,望ましくない免疫系効果などの望ましくないと考えらるFcの機能をブロックするように行うことができる。]
[0221] 従って,本発明の結合体(本発明のペプチドを含む)は抗原認識免疫グロブリン断片及び/又はFc鎖を含むことができる。かかる免疫グロブリン断片は,例えば,Fab’,F(ab1)2,Fv又はFab断片,もしくは他の抗原認識免疫グロブリン断片を含むことができる。かかる免疫グロブリン断片は,例えば,ペプシン又はパパインの消化などのタンパク分解酵素の消化,還元的アルキル化又は組換え技術によって調製できる。かかる免疫グロブリン断片を調製するための材料及び方法は当業者に周知である。Parham,J. Immunology,131,2895,1983; Lamoyiら,J. Immunological Methods,56,235,1983参照。]
[0222] 下記の略記は以下のように理解すべきである。
アミノ酸の省略形IUPAC記号。
A=Ala=アラニン
C=Cys=システイン
D=Asp=アスパラギン酸
E=Glu=グルタミン酸
F=Phe=フェニルアラニン
G=Gly=グリシン
H=His=ヒスチジン
I=Ile=イソロイシン
L=Lys=リシン
M=Met=メチオニン
N=Asn=アスパラギン
P=Pro=プロリン
Q=Gln=グルタミン
R=Arg=アルギニン
S=Ser=セリン
T=Thr=トレオニン
V=Val=バリン
W=Trp=トリプトファン
Y=Tyr=チロシン]
[0223] 以下の略記をヌクレオチド塩基に対して用いる。Aはアデニン,Gはグアニン,Tはチミン,Uはウラシル及びCはシトシンである。]
[0224] 本発明を更に下記の実施例において記載するが,該実施例は本発明の特許請求の範囲をいかなる意味でも限定する意図はない。]
[0225] 実施例1 本発明のペプチドの合成
ペプチドをPepscan Systems社のFmoc−chemistryを用いる固相ペプチド合成法により合成した。ペプチドをそのC末端でアミド化し,N末端でアセチル化した。CGEN−GP1[配列番号:1]は4505.6の分子量,CGEN−GP2[配列番号:2]は4136.1の分子量,CGEN−GP3 [配列番号:3]は3789.1の分子量,CGEN−GP4[配列番号:27]は3765.6の分子量及びCGEN−GP5[配列番号:29]は4363.2の分子量を有する。CGEN−GP1[配列番号:25]パートナーへリックスは4272の分子量を有する。]
[0226] 実施例2ヒト末梢血単核細胞(PBMC)からのLPS誘発サイトカイン放出に対する本発明ペプチドの活性の分析
実施例1で合成したCGEN−GP1,CGEN−GP2及びCGEN−GP3を,ヒトPBMCからのLPS誘発サイトカイン分泌を抑制する能力について分析した。ペプチドを二種類の濃度(3及び30μg/mL)で繰り返して検定した。凍結保存したPBMCを1穴当たり140μlの媒体中に2×105細胞/穴で滴下投入し,接種した。細胞を5%CO2にて37℃で1時間培養し,本発明のペプチド又は陽性対照としてのデキサメタゾン(Dex)を20μlの媒体中に添加した。細胞を30分間培養し,LPS(50pg/ml)を適切な濃度で40μlの媒体中に添加した。プレートを24時間培養し,1200rpmで10分間回転し,上澄み液を収集し,−80℃で貯蔵した。サイトカインの濃度はLuminex分析器(IS100,Luminex Corporation社)及びビーズベース試薬(Upstate Biotechnology社)を用いて測定した。]
[0227] 図1は,LPSで処理したPBMCからのサイトカインIL−1b,IL6,IL−8,MIP−1α及びTNFαの分泌に対するCGEN−GP1,CGEN−GP2及びCGEN−GP3の効果を示す。LPS処理に続いて,CGEN−GP1は試験したサイトカイン全ての分泌を80%〜90%だけ低減した。CGEN−GP2及びCGEN−GP3は,IL−1β,IL−6,MIP−1α及びTNFα分泌に対し適度な効果(約10〜30%)を有する。CGEN−GP2はIL−8の放出に対し効果がなかった。] 図1
[0228] 実施例3 ヒトPBMCからの抗CD3誘発サイトカインの放出に対する本発明ペプチドの活性の分析
実施例1で合成したCGEN−GP1,CGEN−GP2及びCGEN−GP3を,ヒトPBMCからの抗CD3誘発サイトカイン分泌を抑制する能力について分析した。ペプチドを二種類の濃度(3及び30μg/mL)で繰り返して検定した。凍結保存したPBMCを1穴当たり140μlの媒体中に2×104細胞/穴で滴下投入し,接種した。細胞を5%CO2にて37℃で1時間培養し,本発明のペプチド又は陽性対照としてのデキサメタゾンを20μlの媒体中に添加した。細胞を30分間培養し,抗CD3抗体(1μg/ml)を適切な濃度で40μlの媒体中に添加した。プレートを48時間培養し,1200rpmで10分間回転し,上澄み液を収集し,−80℃で貯蔵した。サイトカインの濃度はLuminex分析器(IS100,Luminex Corporation社)及びビーズベース試薬(Upstate Biotechnology社)を用いて測定した。]
[0229] 図2は,抗CD3抗体で処理したPBMCからのサイトカインGM−CSF,IL−12p40,IL−12p70,IL−1a,IL−1b,IL2及びTNFαの分泌に対するCGEN−GP1,CGEN−GP2及びCGEN−GP3の効果を示す。抗CD3抗体処理に続いて,CGEN−GP1は,IL−12p40を90%超,IL−12p70を90%,IL−1β及びTNFαを約80%並びにIL−1αを50%だけ低減した。CGEN−GP1はGM−CSFの放出に対し僅か20%の抑制を有し,IL−2の放出に対し効果がなかった。CGEN−GP2は,IL−12p40を75%,IL−12p70を90%,IL−1β及びTNFαを約50%並びにIL−1αを25%だけ低減した。CGEN−GP2はGM−CSF及びIL−2の放出に対し効果がなかった。CGEN−GP3は,IL−12p40を40%,IL−12p70及びIL−2を70%,IL−1βを60%,TNFαを約30%並びにIL−1αを30%だけ低減した。CGEN−GP3はGM−CSFの放出に対し効果がなかった。] 図2
[0230] 実施例4LPS又は表皮ブドウ球菌で処理したヒト末梢血単核細胞(PBMC)からのサイトカインの放出に対する本発明ペプチドの活性の分析
実施例1で合成したCGEN−GP1(配列番号:1)を,ヒトPBMCからのLPS誘発サイトカイン分泌を抑制する能力について分析した。ペプチドを三種類の濃度(30,60及び120μg/mL)で繰り返して検定した。新鮮なhPBMCを1穴当たり140μlの媒体中に2×105細胞/穴で接種した。細胞を5%CO2にて37℃で1時間培養し,CGEN−GP1ペプチドを添加した。細胞を30分間培養し,LPS又は表皮ブドウ球菌を適切な濃度で添加した。プレートを24時間培養し,1200rpmで10分間回転し,上澄み液を収集し,−80℃で貯蔵した。試験したサイトカインの濃度はELISAキット(R&D Systems社,Quantikine ELISAキット,ヒトIL−ベータ,カタログ番号DLB50,ヒトTNFアルファ,カタログ番号STA00C)を用いて測定した。]
[0231] 図3は,未処理ヒトPBMC又はLPSもしくは表皮ブドウ球菌で処理したPBMCからのサイトカインIL−1ベータの分泌に対するCGEN−GP1(配列番号:1)(30,60又は120μg/ml)の効果を示す。両処理に続いて,120μg/mlのCGEN−GP1はIL−1ベータの分泌を消失する。] 図3
[0232] 図4は,未処理ヒトPBMCもしくはLPS又は表皮ブドウ球菌で処理したPBMCからのサイトカインTNFアルファの分泌に対するCGEN−GP1(配列番号:1)(30,60又は120μg/ml)の効果を示す。両処理に続いて,CGEN−GP1はTNFアルファの分泌を投薬量依存の態様で低減し,一方120μg/mlのCGEN−GP1はTNFアルファの分泌を消失する。] 図4
[0233] 実施例5IL−12プラスIL−18で処理した末梢血単核細胞(PBMC)からのサイトカインの放出に対する本発明ペプチドの活性の分析
CGEN−GP1(配列番号:1)を,ヒトPBMCからのIL−12及びIL−18誘発IFNガンマ分泌を抑制する能力について分析した。ペプチドを二種類の濃度(30及び60μg/mL)で繰り返して検定した。新鮮なhPBMCを1穴当たり140μlの媒体中に2×105細胞/穴で接種した。細胞を5%CO2にて37℃で1時間培養し,CGEN−GP1ペプチドを添加した。細胞を30分間培養し,IL−12プラスIL−18を適切な濃度で添加した。プレートを48時間培養し,1200rpmで10分間回転し,上澄み液を収集した。IFNガンマの濃度はELISAキット(R&D Systems社,ヒトIFNガンマQuantikine ELISAキット,カタログ番号DIF50)を用いて測定した。]
[0234] 図5は,IL−12プラスIL−18で処理したPBMCからのサイトカインIFNガンマの分泌に対するCGEN−GP1(配列番号:1)(30又は60μg/ml)の効果を示す。その処理に続いて,CGEN−GP1はIFNガンマの分泌を投薬量依存の態様で低減し,一方60μg/mlのCGEN−GP1はTNFアルファの分泌を90%だけ消失する。] 図5
[0235] 実施例6ヒト単球由来細胞株からのTNFαの分泌を抑制する際の本発明ペプチドの活性の分析
実施例1で合成したCGEN−GP1を,THP−1細胞(ヒト急性単球性白血病,単球,TIB−202,ATCC)からのLPS誘発TNFα分泌を抑制する能力について分析した。THP−1細胞を96穴プレートにおける100μlの媒体(RPMI−1640媒体+10%FBS)中に2×105細胞/穴で接種した。20,60,180,540,1620,4860又は14580nMの最終濃度で再構成したペプチドを当該穴に体積100μlで添加し,最終濃度100ng/mlのLPS(Sigma社,カタログ番号L−6529,ロット番号054K4022,貯蔵濃度1mg/ml)を当該穴に体積100μlで添加した。プレートを4時間培養し,次いで4000rpmで5分間遠心分離した。調整済みの培地(200μl)を新たなプレートに移し,−20℃で保持した。TNFαの濃度はTNFαELISAキット(R&D Systems社,ヒトTNFアルファQuantikine ELISAキット,カタログ番号DLB50,ヒトTNFアルファ,カタログ番号STA00C)を用いて測定した。]
[0236] 図6は,14580nMのCGEN−GP1がTHP−1細胞からのLPS誘発TNFα分泌の80%超を抑制することを示す。] 図6
[0237] 実施例7ヒト単球由来細胞株からのTNFαの分泌を抑制する際の本発明ペプチドの活性の分析
CGEN−GP4(配列番号:27)及びCGEN−GP5(配列番号:29)を,THP−1細胞(ヒト急性単球性白血病,単球,TIB−202,ATCC)からのLPS誘発TNFα分泌を抑制する能力について分析した。THP−1細胞を96穴プレートにおける100μlの媒体(RPMI−1640媒体+10%FBS)中に2×105細胞/穴で接種した。0.3,1,10,30又は60μg/mlの最終濃度で再構成したペプチドを当該穴に体積100μlで添加し,最終濃度100ng/mlのLPS(Sigma社,カタログ番号L−6529,ロット番号054K4022,貯蔵濃度1mg/ml)を当該穴に体積100μlで添加した。プレートを4時間培養し,次いで4000rpmで5分間遠心分離した。調整済みの培地(200μl)を新たなプレートに移し,−20℃で保持した。TNFαの濃度はTNFαELISAキット(R&D Systems社,ヒトTNFアルファQuantikine ELISAキット,カタログ番号DLB50,ヒトTNFアルファ,カタログ番号STA00C)を用いて測定した。結果を図7に示す。] 図7
[0238] 図7は,30μg/mlのCGEN−GP4がLPS誘発TNFα分泌の100%を抑制し,一方10μg/mlのCGEN−GP5がTHP−1細胞からのLPS誘発TNFα分泌の100%を抑制することを示す。] 図7
[0239] 実施例8 ヒト肺癌腫細胞の増殖を抑制する際の本発明ペプチドの活性の分析
CGEN−GP1(配列番号:1),CGEN−GP4(配列番号:27)及びCGEN−GP5(配列番号:29)を,A549細胞(ヒト肺癌腫,CCL−185,ATCC)の増殖を抑制する能力について分析した。A549細胞を96穴プレートにおける200μlの媒体(DMEM媒体+5%FBS)中に6000細胞/穴で接種し,終夜(O.N)培養した。細胞を,0.1%FBSを含む無血清培地(SFM)100μl中で終夜飢餓状態にした。全ての凍結乾燥ペプチドをH2O(50℃へ予熱した)に溶解し,手で撹拌し,最終濃度1mg/mlとした。再構成ペプチドを濃度0.3,1,10,30又は90μg/mlで添加し,細胞を48時間培養した。]
[0240] 細胞増殖を,以下のようにMTTアッセイを用いて測定した。20μlのMTT溶液(3−[4,5−ジメチル−2−チアゾリル]−2,5−ジフェニル−2H−テトラゾリウムブロマイド,Sigma社カタログ番号M5655,ロット番号085k5322,1グラムを200mlのH2Oに溶解し,ろ過し,最終濃度5mg/mlを得た)を各穴に4時間で添加し,その後媒体を真空除去し,100μlのDMSOを各穴に添加した。吸光度をELISA読取装置にて492nmで測定した。結果を図8に示し,未処理細胞(未処理細胞を100と定義した)に対する百分率で図示した。] 図8
[0241] 図8は,三種類の異なるペプチドがA549細胞の増殖を投薬量依存の態様で抑制することを示す。CGEN−GP1,CGEN−GP4及びCGEN−GP5は,濃度90μg/mlで,それぞれ細胞成長の80%,98%及び100%を抑制する。] 図8
[0242] 実施例9ヒト結腸直腸又は乳腺癌腫細胞の増殖を抑制する際の本発明ペプチドの活性の分析
CGEN−GP1(配列番号:1)及びCGEN−GP5(配列番号:29)を,HCT116細胞株(ヒト結腸直腸癌,CCL−247,ATCC),SW480(ヒト結腸直腸腺癌,CCL−228,ATCC),MCF7(ヒト乳腺癌,HTB−22,ATCC)及びHT29(ヒト結腸直腸腺癌,HTB−38,ATCC)の増殖を抑制する能力について分析した。細胞を96穴プレートにおける200μlの媒体(DMEM媒体+5%FBS)中に5000細胞/穴で接種し,終夜(O.N)培養した。細胞を,0.1%FBSを含む無血清培地(SFM)100μl中で終夜飢餓状態にした。全ての凍結乾燥ペプチドをH2O(50℃へ予熱した)に溶解し,手で撹拌し,最終濃度1mg/mlとした。再構成ペプチドを0.003,0.009,0.028,0.084,0.25,0.76,2.28,6.66,20及び60μg/mlの濃度で添加し,細胞を48時間培養した。]
[0243] 細胞増殖を,MTTアッセイを用いて測定した。20μlのMTT溶液(3−[4,5−ジメチル−2−チアゾリル]−2,5−ジフェニル−2H−テトラゾリウムブロマイド,Sigma社カタログ番号M5655,ロット番号085k5322,1グラムをH2O200mlに溶解し,ろ過し,最終濃度5mg/mlを得た)を各穴に4時間で添加し,その後媒体を真空除去し,DMSO100μlを各穴に添加した。吸光度をELISA読取装置にて492nmで測定した。]
[0244] 細胞株HCTl16(ヒト結腸直腸癌,CCL−247,ATCC),SW480(ヒト結腸直腸腺癌,CCL−228,ATCC),HT29(ヒト結腸直腸腺癌,HTB−38,ATCC)及びMCF7(ヒト乳腺腺癌,HTB−22,ATCC)の増殖に対するCGEN−GP1(配列番号:1)(0.003,0.009,0.028,0.084,0.25,0.76,2.28,6.66,20及び60μg/ml)の効果を示す結果を図9A,9B,9C及び9Dに各々示した。] 図9A
[0245] 細胞株HCTl16(ヒト結腸直腸癌,CCL−247,ATCC)HT29(ヒト結腸直腸腺癌,HTB−38,ATCC),SW480(ヒト結腸直腸腺癌,CCL−228,ATCC),HT29(ヒト結腸直腸腺癌,HTB−38,ATCC)及びMCF7(ヒト乳腺腺癌,HTB−22,ATCC)の増殖に対するCGEN−GP5(配列番号:29)(0.003,0.009,0.028,0.084,0.25,0.76,2.28,6.66,20及び60μg/ml)の効果を示す結果を図10A,10B,10C及び10Dに各々示した。結果は,未処理細胞(未処理細胞を100と定義した)に対する百分率で示した。] 図10A
[0246] 図9(A,B,C,D)及び図10(A,B,C,D)は,CGEN−GP1(配列番号:1)及びCGEN−GP5(配列番号:29)ペプチドが試験した全ての細胞株の増殖を投薬量依存の態様で抑制することを示す。] 図10 図9
[0247] 実施例10IL−18プラスIL−12で処理した単離マウス脾臓細胞からのIFNγの産生を抑制する際の本発明ペプチドの活性の分析
IL−18プラスIL−12で処理した単離マウス脾臓細胞からのIFNγの産生を抑制する際の本発明の生理活性ペプチドの活性を分析するために,脾臓を二匹のC57black/6マウスから単離し,脾細胞を5%FCS含有媒体中てせ1ミリリットル当たり2.5百万個の濃度で培養した。細胞をCGEN−GP1の有無にかかわらずマウスIL−18(20ng/mL)プラスマウスIL−12(10ng/mL)で24時間刺激した。加えて,単離脾細胞からのINFγ分泌に対するCGEN−GP1単独の効果も試験した。上澄み液を収集し,マウスINFγをマウスINFγELISAキット(R&D Systems社,ヒトINFγQuantikine ELISAキット,カタログ番号MIF00)を用いて検定した。]
[0248] 図11は,IL−12プラスIL−18での処理に続いて,60μg/mlのCGEN−gp1がマウス脾細胞からのIFNγの分泌を消失することを示す。] 図11
[0249] 実施例11LPS処理マウスの血清中のサイトカイン分泌を抑制する際の本発明ペプチドの活性の分析
実施例1で合成したCGEN−GP1(配列番号:1)を,LPS処理マウスの血清中へのLPS誘発腫瘍壊死因子α(TNFα),IL−6,インターフェロンガンマ(IFNγ),MIP−2及びMIP−1α分泌を抑制する能力について分析した。C57Black/6マウス(各群5匹,合計25匹)に,三種類の投薬量のCGEN−GP1(配列番号:1)(マウス一匹あたり10,30又は60μg)又は対照としての生理食塩水を腹腔内(ip)に注射し,直ちに他の大腸菌LPS(10mg/kg)のip注射を引き続いて行った。LPS処理の90分後,マウスの眼窩静脈叢から採血し,サイトカイン及びケモカインの濃度を,マウスTNFα,IFNγ,MIP−2又はMIP−1αに特異的なELISAキット(R&D Systems社,ELISAキット,各カタログ番号MTA00,MIF00,MM200及びMMA00)を用いて測定した。6時間後,マウスを殺し,その血清を用いて,TNFα,IFNγ,IL−6及びMIP−2をマウス分子に適したELISAキット(R&D Systems社,ELISAキット,各カタログ番号MTA00,MIF00,M6000B及びMMA00)を用いて測定した。]
[0250] 図12は,マウスにi.p注射した60μg/mlのCGEN−GP1(配列番号:1)がマウス血清中のLPS誘発TNFα分泌の70%超えを抑制することを示す。] 図12
[0251] 図13は,マウスにi.p注射した60μg/mlのCGEN−GP1(配列番号:1)がマウス血清中のLPS誘発IL−6分泌の50%を抑制することを示す。] 図13
[0252] 図14は,マウスにi.p注射した60μg/mlのCGEN−GP1(配列番号:1)がマウス血清中のLPS誘発IFNγ分泌を60%を超えて抑制することを示す。] 図14
[0253] 図15は,マウスにi.p注射した60μg/mlのCGEN−GP1(配列番号:1)がマウス血清中のLPS誘発MIP−2分泌を70%を超えて抑制することを示す。] 図15
[0254] 図16は,マウスにi.p注射した60μg/mlのCGEN−GP1(配列番号:1)がマウス血清中のLPS誘発MIP−1α分泌を50%を超えて抑制することを示す。] 図16
[0255] 実施例12 gp96の立体構造変化型ブロッカーの設計
タンパク質における立体構造の変化は,活性調節において主要な役割を果たす。かかる変化を調節する天然及び合成分子は生物学的に著しく重要である。かかる分子としては,酵素触媒反応の迅速性を変えるアロステリックエフェクター(J. Monodら,J MoI Biol 12,88 (1965)),タンパク質のオリゴマー形成平衡をシフトする分子(Z Hayoukaら,Proc Natl Acad Sci USA 104,8316 (2007))及び膜貫通型へリックス−へリックス会合体に干渉する分子(H. Yin ら,Science 315,1817 (2007))が挙げられる。]
[0256] gp96の立体構造変化モジュレーターを設計した。へリックス−へリックス相互作用を伴う立体構造変化に干渉する独自の数値計算方法を用いて,設計したペプチドを同定した。]
[0257] 分子内へリックス−へリックス相互作用の配列に基づく同定用の数値計算的手法は,実験的に観察することが通常困難な相互作用を検出することができた。該数値計算的手法は,標的タンパク質及びそのホモログの配列内の相関する変異の分析に基づいた(図17及び図18)。] 図18
权利要求:

請求項1
主として配列番号:1〜3,27又は29のいずれか一つに列記されたアミノ酸配列又はそのホモログもしくは誘導体からなる単離ペプチド。
請求項2
主として配列番号:4〜6,31又は32のいずれか一つに列記されたアミノ酸配列又はその誘導体からなる単離ペプチド。
請求項3
主として配列番号:14〜24,35〜52のいずれか一つに列記されたアミノ酸配列からなる単離ペプチド。
請求項4
主として配列番号:25又は26に列記されたアミノ酸配列からなる単離ペプチド。
請求項5
請求項1〜4に記載のいずれか一つのペプチドにおけるエピトープと選択的に結合する抗体。
請求項6
請求項1〜4に記載のいずれか一つのペプチドを含む融合タンパク質。
請求項7
請求項1〜4に記載のいずれか一つのペプチド若しくは請求項5に記載の抗体又は請求項6に記載の融合タンパク質と,薬学的に許容し得るキャリアーとを含む医薬組成物。
請求項8
請求項1〜4に記載のいずれか一つのペプチド若しくは請求項5に記載の抗体又は請求項6に記載の融合タンパク質の医薬品の製造のための使用。
請求項9
前記医薬品が敗血症,敗血性ショック,内毒素ショック,内毒素貧血及び全身性炎症反応症候群(SIRS)の治療のためである請求項8に記載の使用。
請求項10
前記医薬品が自己免疫疾患の治療のためである請求項8に記載の使用。
請求項11
前記自己免疫疾患が,多発性硬化症,乾癬,関節リウマチ,全身性紅斑性狼瘡(SLE),潰瘍性大腸炎,クローン病,移植片拒絶に関連した免疫性疾患,良性リンパ球性血管炎,紅斑性狼瘡,橋本自己免疫性甲状腺炎,原発性粘液水腫,グレーブス病,悪性貧血,自己免疫性 委縮性胃炎,アジソン病,インシュリン依存糖尿病,グッドパスチャー症候群,重症性筋無力症,天疱瘡,交感性眼炎,自己免疫性ブドウ膜炎,自己免疫性溶血性貧血,特発性血小板減少性紫斑病,原発性胆汁性肝硬変,慢性活動性肝炎,潰瘍性大腸炎,シェーグレン症候群,リウマチ性疾患,多発性筋炎,強皮症,混合性結合組織病,炎症性リウマチ,変性リウマチ,関節外リウマチ,コラーゲン病,慢性多発性関節炎,乾癬関節症,強直性脊髄炎,若年性関節リウマチ,上腕肩甲骨関節周囲炎,結節性多発動脈炎,進行性全身性硬化症,尿酸性関節炎,皮膚筋炎,筋肉リウマチ,心筋炎,筋肉炎,筋硬症,軟骨石灰化症,炎症性腸疾患(IBD),自己免疫性肝炎,自己免疫性心筋炎,1型糖尿病からなる群から選択される請求項10に記載の使用。
請求項12
前記自己免疫疾患が,強直性脊髄炎,乾癬,炎症性腸疾患(IBD),クローン病,潰瘍性大腸炎,全身性紅斑性狼瘡(SLE),シェーグレン症候群,多発性硬化症,関節リウマチ,自己免疫性肝炎,自己免疫性心筋炎,橋本自己免疫性甲状腺炎及び1型糖尿病からなる群から選択される請求項11に記載の使用。
請求項13
前記医薬品が胃腸管系炎症性疾患の治療のためである請求項8に記載の使用。
請求項14
前記胃腸管系炎症性疾患が,バレット食道,慢性胃炎,胃潰瘍,胃腸炎,潰瘍性大腸炎,全大腸炎,炎症性腸疾患(IBD)及びクローン病からなる群から選択される請求項13に記載の使用。
請求項15
前記医薬品が胃腸管系悪性疾患の治療のためである請求項8に記載の使用。
請求項16
前記胃腸管系悪性疾患が,胃癌,小腸癌,大腸癌及び食道腺癌からなる群から選択される請求項15に記載の使用。
請求項17
前記医薬品が気道炎症を伴う疾患の治療のためである請求項8に記載の使用。
請求項18
前記気道炎症を伴う疾患が,喘息,アレルギー,肺気腫,肺性炎症,環境性気道疾患,気道過敏症,慢性気管支炎,急性肺傷害,気管支疾患,肺疾患,嚢胞性繊維症,慢性閉塞性肺疾患(COPD),急性呼吸器疾患症候群(ARDS)及び重症急性呼吸器症候群(SARS)からなる群から選択される請求項17に記載の使用。
請求項19
前記医薬品が自己炎症性疾患の治療のためである請求項8に記載の使用。
請求項20
前記自己炎症性疾患が,正補体性じんま疹様血管炎,心膜炎,筋肉炎,抗シンセターゼ症候群,強膜炎,マクロファージ活性化症候群,ベーチェット症候群,PAPA症候群,ブラウ症候群,痛風,成人及び若年性スチル病,クリオピリン症,マックル−ウェルズ症候群,家族性寒冷誘導自己炎症性症候群,新生児期発症多臓器性炎症性疾患,家族性地中海熱,慢性乳児期発症神経皮膚関節症候群,全身型若年性特発性関節炎,高IgD症候群,シュニッツラー症候群及びTNF受容体関連周期熱症候群(TRAPS)からなる群から選択される請求項19に記載の使用。
請求項21
前記医薬品が臓器及び組織における虚血及び虚血後の事象に関連した虚血−再灌流傷害関連疾患の治療のためである請求項8に記載の使用。
請求項22
前記虚血−再灌流傷害関連疾患が,血栓性脳卒中,心筋梗塞,狭心症,塞栓性血管閉塞,末梢血管不全,内臓動脈閉塞症,血栓又は塞栓による動脈閉塞症,非塞栓性過程による閉塞症,腸間膜動脈閉塞症,腸間膜静脈閉塞症,虚血−再灌流傷害から腸間膜微小循環,虚血性急性腎不全,大脳組織への虚血−再灌流傷害,腸重積,血行動態ショック,組織機能障害,臓器不全,再狭窄,アテローム動脈硬化,血栓症,血小板凝集,並びに血管造影法,心肺脳蘇生法,心臓外科手術,臓器外科,臓器移植及び臓器移植の設置における冷却虚血−再灌流後に生じる全身性及び移植内の炎症性反応からなる群から選択された処置から得た疾病からなる群から選択される請求項21に記載の使用。
請求項23
前記医薬品が心臓血管系疾患の治療のためである請求項8に記載の使用。
請求項24
前記心臓血管系疾患が抹消血管疾患及び冠状動脈疾患からなる群から選択される請求項23に記載の使用。
請求項25
前記冠状動脈疾患が,心筋梗塞,心臓傷害,鬱血性心不全,敗血症における心機能不全,心筋不全,心筋肥大,虚血性心筋症,脳卒中,血栓性脳卒中,心筋炎,心筋症,心筋炎,非代償性心不全,虚血性心筋疾患,先天性心臓疾患性狭心症,虚血及び虚血後の事象における虚血−再灌流傷害,脳血管発作,線維症,血小板凝集,アテローム動脈硬化,血栓症,冠動脈インターベンション後の再狭窄,内膜増殖及び動脈新生からなる群から選択される請求項24に記載の使用。
請求項26
前記医薬品が重金属誘発疾患の治療のためである請求項8に記載の使用。
請求項27
前記重金属誘発疾患が,鉛,亜鉛及びカドミウム中毒症からなる群から選択される請求項26に記載の使用。
請求項28
前記医薬品が腎臓病の治療のためである請求項8に記載の使用。
請求項29
前記腎臓病が,腎臓障害,腎炎,細菌性腎盂腎炎,糸球体腎炎,狼瘡性腎炎,急性及び慢性腎不全及び腎血管抵抗からなる群から選択された請求項28に記載の使用。
請求項30
前記医薬品が炎症性疾患の治療のためである請求項8に記載の使用。
請求項31
前記炎症性疾患が,歯肉炎,歯周炎,肝炎,肝硬変,膵臓炎,心筋炎,血管炎,胃炎,痛風,通風性関節炎並びに乾癬,アトピー性皮膚炎,湿疹,しゅさ,じんま疹及び座瘡からなるリストから選択された炎症性皮膚疾患からなる群から選択される請求項30に記載の使用。
請求項32
前記医薬品が細胞間病原菌によって引き起こされた感染症の治療のためである請求項8に記載の使用。
請求項33
前記感染症が,ウイルス,バクテリア,プロトゾア及び細胞間寄生体からなる群から選択された細胞間病原菌によって引き起こされる請求項32に記載の使用。
請求項34
前記医薬品が癌の治療のためである請求項8に記載の使用。
請求項35
前記癌が,固形腫瘍,肉腫,乳癌,前立腺癌,肺癌,卵巣癌,大腸癌,脾臓癌,腎臓癌,膀胱癌,頭頚部癌,子宮頚癌,精巣癌,胃癌,肝臓癌,骨癌,皮膚癌,メラノーマ,膵臓癌,脳癌,並びに白血病,慢性リンパ性白血病,急性骨髄性白血病,慢性骨髄性白血病,多発性骨髄腫,ホジキンリンパ腫及び非ホジキンリンパ腫からなる群から選択された悪性血液疾患からなる群から選択される請求項34に記載の使用。
請求項36
前記癌が侵襲性又は転移性でありうる請求項35に記載の使用。
請求項37
前記医薬品が早産及び子宮収縮の治療のためである請求項8に記載の使用。
請求項38
前記医薬品が内毒素及び細菌性感染症の存在に関連した外科手術及び外科処置での合併症の治療のためである請求項8に記載の使用。
請求項39
前記医薬品が臓器移植後の急性同種移植片拒絶反応の治療のためである請求項8に記載の使用。
請求項40
治療で使用するための請求項1〜4に記載のいずれか一つのペプチド若しくは請求項5に記載の抗体又は請求項6に記載の融合タンパク質。
請求項41
前記治療が,敗血症,敗血性ショック,内毒素ショック,内毒素貧血又は全身性炎症反応症候群(SIRS)の治療のためである請求項40に記載のペプチド,抗体又は融合タンパク質。
請求項42
前記治療が自己免疫疾患の治療のためである請求項40に記載のペプチド,抗体又は融合タンパク質。
請求項43
前記自己免疫疾患が,多発性硬化症,乾癬,関節リウマチ,全身性紅斑性狼瘡(SLE),潰瘍性大腸炎,クローン病,移植片拒絶に関連した免疫性疾患,良性リンパ球性血管炎,紅斑性狼瘡,橋本自己免疫性甲状腺炎,原発性粘液水腫,グレーブス病,悪性貧血,自己免疫性委縮性胃炎,アジソン病,インシュリン依存糖尿病,グッドパスチャー症候群,重症性筋無力症,天疱瘡,交感性眼炎,自己免疫性ブドウ膜炎,自己免疫性溶血性貧血,特発性血小板減少性紫斑病,原発性胆汁性肝硬変,慢性活動性肝炎,潰瘍性大腸炎,シェーグレン症候群,リウマチ性疾患,多発性筋炎,強皮症,混合性結合組織病,炎症性リウマチ,変性リウマチ,関節外リウマチ,コラーゲン病,慢性多発性関節炎,乾癬関節症,強直性脊髄炎,若年性関節リウマチ,上腕肩甲骨関節周囲炎,結節性多発動脈炎,進行性全身性硬化症,尿酸性関節炎,皮膚筋炎,筋肉リウマチ,心筋炎,筋肉炎,筋硬症,軟骨石灰化症,炎症性腸疾患(IBD),自己免疫性肝炎,自己免疫性心筋炎,1型糖尿病からなる群から選択される請求項42に記載のペプチド,抗体又は融合タンパク質。
請求項44
前記自己免疫疾患が,強直性脊髄炎,乾癬,炎症性腸疾患(IBD),クローン病,潰瘍性大腸炎,全身性紅斑性狼瘡(SLE),シェーグレン症候群,多発性硬化症,関節リウマチ,自己免疫性肝炎,自己免疫性心筋炎,橋本自己免疫性甲状腺炎及び1型糖尿病からなる群から選択される請求項43に記載のペプチド,抗体又は融合タンパク質。
請求項45
前記治療が胃腸管系炎症性疾患の治療のためである請求項40に記載のペプチド,抗体又は融合タンパク質。
請求項46
前記胃腸管系炎症性疾患が,バレット食道,慢性胃炎,胃潰瘍,胃腸炎,潰瘍性大腸炎,全大腸炎,炎症性腸疾患(IBD)及びクローン病から選択される請求項45に記載のペプチド,抗体又は融合タンパク質。
請求項47
前記治療が胃腸管系悪性疾患の治療のためである請求項40に記載のペプチド,抗体又は融合タンパク質。
請求項48
前記胃腸管系悪性疾患が,胃癌,小腸癌,大腸癌及び食道腺癌からなる群から選択される請求項47に記載のペプチド,抗体又は融合タンパク質。
請求項49
前記治療が気道炎症を伴う疾患の治療のためである請求項40に記載のペプチド,抗体又は融合タンパク質。
請求項50
前記気道炎症を伴う疾患が,喘息,アレルギー,肺気腫,肺性炎症,環境性気道疾患,気道過敏症,慢性気管支炎,急性肺傷害,気管支疾患,肺疾患,嚢胞性繊維症,慢性閉塞性肺疾患(COPD),急性呼吸器疾患症候群(ARDS)及び重症急性呼吸器症候群(SARS)からなる群から選択される請求項49に記載のペプチド,抗体又は融合タンパク質。
請求項51
前記治療が自己炎症性疾患の治療のためである請求項40に記載のペプチド,抗体又は融合タンパク質。
請求項52
前記自己炎症性疾患が,正補体性じんま疹様血管炎,心膜炎,筋肉炎,抗シンセターゼ症候群,強膜炎,マクロファージ活性化症候群,ベーチェット症候群,PAPA症候群,ブラウ症候群,痛風,成人及び若年性スチル病,クリオピリン症,マックル−ウェルズ症候群,家族性寒冷誘導自己炎症性症候群,新生児期発症多臓器性炎症性疾患,家族性地中海熱,慢性乳児期発症神経皮膚関節症候群,全身型若年性特発性関節炎,高IgD症候群,シュニッツラー症候群及びTNF受容体関連周期熱症候群(TRAPS)からなる群から選択される請求項51に記載のペプチド,抗体又は融合タンパク質。
請求項53
前記治療が臓器及び組織における虚血及び虚血後の事象に関連した虚血−再灌流傷害関連疾患の治療のためである請求項40に記載のペプチド,抗体又は融合タンパク質。
請求項54
前記虚血−再灌流傷害関連疾患が,血栓性脳卒中,心筋梗塞,狭心症,塞栓性血管閉塞,末梢血管不全,内臓動脈閉塞症,血栓又は塞栓による動脈閉塞症,非塞栓性過程による閉塞症,腸間膜動脈閉塞症,腸間膜静脈閉塞症,虚血−再灌流傷害から腸間膜微小循環,虚血性急性腎不全,大脳組織への虚血−再灌流傷害,腸重積,血行動態ショック,組織機能障害,臓器不全,再狭窄,アテローム動脈硬化,血栓症,血小板凝集,並びに血管造影法,心肺脳蘇生法,心臓外科手術,臓器外科,臓器移植などの処置に起因する病気並びに臓器移植の設置における冷却虚血−再灌流後に生じる全身性及び移植内の炎症性反応からなる群から選択される請求項53に記載のペプチド,抗体又は融合タンパク質。
請求項55
前記治療が心血管疾病の治療のためである請求項40に記載のペプチド,抗体又は融合タンパク質。
請求項56
前記心血管疾病が抹消血管疾患及び冠状動脈疾患からなる群から選択された請求項55に記載のペプチド,抗体又は融合タンパク質。
請求項57
前記冠状動脈疾患が,心筋梗塞,心臓傷害,鬱血性心不全,敗血症における心機能不全,心筋不全,心筋肥大,虚血性心筋症,脳卒中,血栓性脳卒中,心筋炎,心筋症,心筋炎,非代償性心不全,虚血性心筋疾患,先天性心臓疾患性狭心症,虚血及び虚血後の事象における虚血−再灌流傷害脳血管発作,線維症,血小板凝集,アテローム動脈硬化,血栓症,冠動脈インターベンション後の再狭窄,内膜増殖及び動脈新生からなる群から選択される請求項56に記載のペプチド,抗体又は融合タンパク質。
請求項58
前記治療が重金属誘発疾患の治療のためである請求項40に記載のペプチド,抗体又は融合タンパク質。
請求項59
前記重金属誘発疾患が,鉛,亜鉛及びカドミウム中毒症からなる群から選択される請求項58に記載のペプチド,抗体又は融合タンパク質。
請求項60
前記治療が腎臓病の治療のためである請求項40に記載のペプチド,抗体又は融合タンパク質。
請求項61
前記腎臓病が,腎臓障害,腎炎,細菌性腎盂腎炎,糸球体腎炎,狼瘡性腎炎,急性及び慢性腎不全及び腎血管抵抗からなる群から選択される請求項60に記載のペプチド,抗体又は融合タンパク質。
請求項62
前記治療が炎症性疾患の治療のためである請求項40に記載のペプチド,抗体又は融合タンパク質。
請求項63
前記炎症性疾患が,歯肉炎,歯周炎,肝炎,肝硬変,膵臓炎,心筋炎,血管炎,胃炎,痛風,通風性関節炎,並びに乾癬,アトピー性皮膚炎,湿疹,しゅさ,じんま疹及び座瘡からなるリストから選択された炎症性皮膚疾患からなる群から選択される請求項62に記載のペプチド,抗体又は融合タンパク質。
請求項64
前記治療が,細胞間病原菌によって引き起こされた感染症の治療のためである請求項40に記載のペプチド,抗体又は融合タンパク質。
請求項65
前記感染症が,ウイルス,バクテリア,プロトゾア及び細胞間寄生体からなる群から選択された細胞間病原菌によって引き起こされる請求項64に記載のペプチド,抗体又は融合タンパク質。
請求項66
前記治療が癌の治療である請求項40に記載のペプチド,抗体又は融合タンパク質。
請求項67
前記癌が,固形腫瘍,肉腫,乳癌,前立腺癌,肺癌,卵巣癌,大腸癌,脾臓癌,腎臓癌,膀胱癌,頭頚部癌,子宮頚癌,精巣癌,胃癌,肝臓癌,骨癌,皮膚癌,メラノーマ,膵臓癌,脳癌並びに白血病,慢性リンパ性白血病,急性骨髄性白血病,慢性骨髄性白血病,多発性骨髄腫,ホジキンリンパ腫及び非ホジキンリンパ腫からなる群から選択された悪性血液疾患からなる群から選択される請求項66に記載のペプチド,抗体又は融合タンパク質。
請求項68
前記癌が侵襲性又は転移性でありうる請求項67に記載のペプチド,抗体又は融合タンパク質。
請求項69
前記治療が早産及び子宮収縮の治療である請求項40に記載のペプチド,抗体又は融合タンパク質。
請求項70
前記治療が内毒素及び細菌性感染症の存在に関連した外科手術及び外科処置での合併症の治療である請求項40に記載のペプチド,抗体又は融合タンパク質。
請求項71
前記治療が臓器移植後の急性同種移植片拒絶反応の治療である請求項40に記載のペプチド,抗体又は融合タンパク質。
請求項72
薬学的有効量の請求項1〜4に記載のいずれか一つのペプチド若しくは請求項5に記載の抗体又は請求項6に記載の融合タンパク質と,薬学的に許容し得るキャリアーとを必要とする被検体に投与する工程を備える敗血症,敗血性ショック,内毒素ショック,内毒素貧血及び/又は全身性炎症反応症候群(SIRS)の治療方法。
請求項73
薬学的有効量の請求項1〜4に記載のいずれか一つのペプチド若しくは請求項5に記載の抗体又は請求項6に記載の融合タンパク質と,薬学的に許容し得るキャリアーとを必要とする被検体に投与する工程を備える自己免疫疾患の治療方法。
請求項74
前記自己免疫疾患が,多発性硬化症,乾癬,関節リウマチ,全身性紅斑性狼瘡(SLE),潰瘍性大腸炎,クローン病,移植片拒絶に関連した免疫性疾患,良性リンパ球性血管炎,紅斑性狼瘡,橋本自己免疫性甲状腺炎,原発性粘液水腫,グレーブス病,悪性貧血,自己免疫性 委縮性胃炎,アジソン病,インシュリン依存糖尿病,グッドパスチャー症候群,重症性筋無力症,天疱瘡,交感性眼炎,自己免疫性ブドウ膜炎,自己免疫性溶血性貧血,特発性血小板減少性紫斑病,原発性胆汁性肝硬変,慢性活動性肝炎,潰瘍性大腸炎,シェーグレン症候群,リウマチ性疾患,多発性筋炎,強皮症,混合性結合組織病,炎症性リウマチ,変性リウマチ,関節外リウマチ,コラーゲン病,慢性多発性関節炎,乾癬関節症,強直性脊髄炎,若年性関節リウマチ,上腕肩甲骨関節周囲炎,結節性多発動脈炎,進行性全身性硬化症,尿酸性関節炎,皮膚筋炎,筋肉リウマチ,心筋炎,筋肉炎,筋硬症,軟骨石灰化症,炎症性腸疾患(IBD),自己免疫性肝炎,自己免疫性心筋炎,1型糖尿病からなる群から選択される請求項73に記載の方法。
請求項75
前記自己免疫疾患が,強直性脊髄炎,乾癬,炎症性腸疾患(IBD),クローン病,潰瘍性大腸炎,全身性紅斑性狼瘡(SLE),シェーグレン症候群,多発性硬化症,関節リウマチ,自己免疫肝炎,自己免疫心筋炎,橋本自己免疫性甲状腺炎及び1型糖尿病からなる群から選択される請求項74に記載の方法。
請求項76
薬学的有効量の請求項1〜4に記載のいずれか一つのペプチド若しくは請求項5に記載の抗体又は請求項6に記載の融合タンパク質と,薬学的に許容し得るキャリアーとを必要とする被検体に投与する工程を備える胃腸管系炎症性疾患の治療方法。
請求項77
前記胃腸管系炎症性疾患が,バレット食道,慢性胃炎,胃潰瘍,胃腸炎,潰瘍性大腸炎,全大腸炎,炎症性腸疾患(IBD)及びクローン病からなる群から選択される請求項76に記載の方法。
請求項78
薬学的有効量の請求項1〜4に記載のいずれか一つのペプチド若しくは請求項5に記載の抗体又は請求項6に記載の融合タンパク質と,薬学的に許容し得るキャリアーとを必要とする被検体に投与する工程を備える胃腸管系悪性疾患の治療方法。
請求項79
前記胃腸管系悪性疾患が,胃癌,小腸癌,大腸癌及び食道腺癌からなる群から選択される請求項78に記載の方法。
請求項80
薬学的有効量の請求項1〜4に記載のいずれか一つのペプチド若しくは請求項5に記載の抗体又は請求項6に記載の融合タンパク質と,薬学的に許容し得るキャリアーとを必要とする被検体に投与する工程を備える気道炎症を伴う疾患の治療方法。
請求項81
前記気道炎症を伴う疾患が,喘息,アレルギー,肺気腫,肺性炎症,環境性気道疾患,気道過敏症,慢性気管支炎,急性肺傷害,気管支疾患,肺疾患,嚢胞性繊維症,慢性閉塞性肺疾患(COPD),急性呼吸器疾患症候群(ARDS)及び重症急性呼吸器症候群(SARS)からなる群から選択される請求項80に記載の方法。
請求項82
薬学的有効量の請求項1〜4に記載のいずれか一つのペプチド若しくは請求項5に記載の抗体又は請求項6に記載の融合タンパク質と,薬学的に許容し得るキャリアーとを必要とする被検体に投与する工程を備える自己炎症性疾患の治療方法。
請求項83
前記自己炎症性疾患が,正補体性じんま疹様血管炎,心膜炎,筋肉炎,抗シンセターゼ症候群,強膜炎,マクロファージ活性化症候群,ベーチェット症候群,PAPA症候群,ブラウ症候群,痛風,成人及び若年性スチル病,クリオピリン症,マックル−ウェルズ症候群,家族性寒冷誘導自己炎症性症候群,新生児期発症多臓器性炎症性疾患,家族性地中海熱,慢性乳児期発症神経皮膚関節症候群,全身型若年性特発性関節炎,高IgD症候群,シュニッツラー症候群及びTNF受容体関連周期熱症候群(TRAPS)からなる群から選択される請求項82に記載の方法。
請求項84
薬学的有効量の請求項1〜4に記載のいずれか一つのペプチド若しくは請求項5に記載の抗体又は請求項6に記載の融合タンパク質と,薬学的に許容し得るキャリアーとを必要とする被検体に投与する工程を備える臓器及び組織における虚血及び虚血後の事象に関連した虚血−再灌流傷害関連疾患の治療方法。
請求項85
前記虚血−再灌流傷害関連疾患が,血栓性脳卒中,心筋梗塞,狭心症,塞栓性血管閉塞,末梢血管不全,内臓動脈閉塞症,血栓又は塞栓による動脈閉塞症,非塞栓性過程による閉塞症,腸間膜動脈閉塞症,腸間膜静脈閉塞症 虚血−再灌流傷害から腸間膜微小循環,虚血性急性腎不全,大脳組織への虚血−再灌流傷害,腸重積,血行動態ショック,組織機能障害,臓器不全,再狭窄,アテローム動脈硬化,血栓症,血小板凝集,並びに血管造影法,心肺脳蘇生法,心臓外科手術,臓器外科,臓器移植などの処置に起因する病気並びに臓器移植の設置における冷却虚血−再灌流後に生じる全身性及び移植内の炎症性反応からなる群から選択される請求項84に記載の方法。
請求項86
薬学的有効量の請求項1〜4に記載のいずれか一つのペプチド若しくは請求項5に記載の抗体又は請求項6に記載の融合タンパク質と,薬学的に許容し得るキャリアーとを必要とする被検体に投与する工程を備える心臓血管系疾患の治療方法。
請求項87
前記心臓血管系疾患が抹消血管疾患及び冠状動脈疾患からなる群から選択される請求項86に記載の方法。
請求項88
前記抹消血管疾患及び冠状動脈疾患が,心筋梗塞,心臓傷害,鬱血性心不全,敗血症における心機能不全,心筋不全,心筋肥大,虚血性心筋症,脳卒中,血栓性脳卒中,心筋炎,心筋症,心筋炎,非代償性心不全,虚血性心筋疾患,先天性心臓疾患性狭心症,虚血及び虚血後の事象における虚血−再灌流傷害,脳血管発作,線維症,血小板凝集,アテローム動脈硬化,血栓症,冠動脈インターベンション後の再狭窄,内膜増殖及び動脈新生からなる群から選択される請求項87に記載の方法。
請求項89
薬学的有効量の請求項1〜4に記載のいずれか一つのペプチド若しくは請求項5に記載の抗体又は請求項6に記載の融合タンパク質と,薬学的に許容し得るキャリアーとを必要とする被検体に投与する工程を備える重金属誘発疾患の治療方法。
請求項90
前記重金属誘発疾患が,鉛,亜鉛及びカドミウム中毒症からなる群から選択される請求項89に記載の方法。
請求項91
薬学的有効量の請求項1〜4に記載のいずれか一つのペプチド若しくは請求項5に記載の抗体又は請求項6に記載の融合タンパク質と,薬学的に許容し得るキャリアーとを必要とする被検体に投与する工程を備える腎臓病の治療方法。
請求項92
前記腎臓病が,腎臓障害,腎炎,細菌性腎盂腎炎,糸球体腎炎,狼瘡性腎炎,急性及び慢性腎不全及び腎血管抵抗からなる群から選択される請求項91に記載の方法。
請求項93
薬学的有効量の請求項1〜4に記載のいずれか一つのペプチド若しくは請求項5に記載の抗体又は請求項6に記載の融合タンパク質と,薬学的に許容し得るキャリアーとを必要とする被検体に投与する工程を備える炎症性疾患の治療方法。
請求項94
前記炎症性疾患が,歯肉炎,歯周炎,肝炎,肝硬変,膵臓炎,心筋炎,血管炎,胃炎,痛風,通風性関節炎,並びに乾癬,アトピー性皮膚炎,湿疹,しゅさ,じんま疹及び座瘡からなるリストから選択された炎症性皮膚疾患からなる群から選択される請求項93に記載の方法。
請求項95
薬学的有効量の請求項1〜4に記載のいずれか一つのペプチド若しくは請求項5に記載の抗体又は請求項6に記載の融合タンパク質と,薬学的に許容し得るキャリアーとを必要とする被検体に投与する工程を備える細胞間病原菌によって引き起こされた感染症の治療方法。
請求項96
前記感染症が,ウイルス,バクテリア,プロトゾア及び細胞間寄生体からなる群から選択された細胞間病原菌によって引き起こされる請求項95に記載の方法。
請求項97
薬学的有効量の請求項1〜4に記載のいずれか一つのペプチド若しくは請求項5に記載の抗体又は請求項6に記載の融合タンパク質と,薬学的に許容し得るキャリアーとを必要とする被検体に投与する工程を備える癌の治療方法。
請求項98
前記癌が,固形腫瘍,肉腫,乳癌,前立腺癌,肺癌,卵巣癌,大腸癌,脾臓癌,腎臓癌,膀胱癌,頭頚部癌,子宮頚癌,精巣癌,胃癌,肝臓癌,骨癌,皮膚癌,メラノーマ,膵臓癌,脳癌並びに白血病,慢性リンパ性白血病,急性骨髄性白血病,慢性骨髄性白血病,多発性骨髄腫,ホジキンリンパ腫及び非ホジキンリンパ腫からなる群から選択された悪性血液疾患からなる群から選択される請求項97に記載の方法。
請求項99
前記癌が侵襲性又は転移性でありうる請求項97に記載の方法。
請求項100
薬学的有効量の請求項1〜4に記載のいずれか一つのペプチド若しくは請求項5に記載の抗体又は請求項6に記載の融合タンパク質と,薬学的に許容し得るキャリアーとを必要とする被検体に投与する工程を備える早産及び子宮収縮の治療方法。
請求項101
薬学的有効量の請求項1〜4に記載のいずれか一つのペプチド若しくは請求項5に記載の抗体又は請求項6に記載の融合タンパク質と,薬学的に許容し得るキャリアーとを必要とする被検体に投与する工程を備える内毒素及び細菌性感染症の存在に関連した外科手術及び外科処置での合併症の治療方法。
請求項102
薬学的有効量の請求項1〜4に記載のいずれか一つのペプチド若しくは請求項5に記載の抗体又は請求項6に記載の融合タンパク質と,薬学的に許容し得るキャリアーとを必要とする被検体に投与する工程を備える臓器移植後の急性同種移植片拒絶反応の治療方法。
請求項103
請求項1〜4に記載のペプチドをエンコードするヌクレオチド配列。
請求項104
前記配列が,配列番号:7〜12,28,30,33又は34のいずれか一つで表わされる請求項103に記載のヌクレオチド配列。
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CA2717930A1|2009-09-17|
WO2009113074A1|2009-09-17|
引用文献:
公开号 | 申请日 | 公开日 | 申请人 | 专利标题
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申请号 | 申请日 | 专利标题
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